人気ブログランキング | 話題のタグを見る

人生最高の牛肉との邂逅

304

今日、ようやくアスンシオンで食べたかったアサドを食べることができた。エンカルネシオンで一度食べて本当に美味しく、また食べたいと思っていたのだが、宿の近くのローカル食堂ではどうやら週末限定のメニューだったようでなかなか巡り合えていなかったのだ。遅くなるとすぐに売切れてしまうのでお昼になったらすぐに食堂に向かう。既に食堂は人でいっぱいだ。いつもお昼時になると混み合っている人気食堂だけれど、この日の盛り上がり方はいつも以上だ。車でわざわざ店の前まで乗り付けてくる人もいる。あちこちのテーブルでおいしそうなアサドをみんな食べている。

ドラム缶を使ったBBQ台でこんがりと焼けている肉塊を指差してアサドちょうだい、とオーダーする。若い店員の女の子が肉切りナイフでその塊を切り分けてご飯の上に載せて持ってきてくれる。骨付きの部位といわゆる肉塊の部位のダブル攻めである。ご飯は薄味の炊き込み風、そして付け合せのレモンはオレンジとレモンの中間くらいの甘味と酸味の絶妙なもので、これを満遍なく振りかけていただく。

正直牛肉と言う素材には元々そこまで興味がなかったのだが、今回食べたこのアサドに関しては人生最高と言う他ない。例えるならば肉を口に入れた瞬間に盛りのついた野牛の群れが地鳴りと共に味覚神経を駆け上がって中枢神経内でガチンコファックしまくっているような野太い美味さなのだ。そう、これは料理である以前に「肉」なのだ。愛すべきパラグアイ人達はその一歩脇でそっと合いの手を差し伸べているだけだと言ってもいいだろう。

オーストラリアでは国内レストランベストテンに入るようなステーキハウスでコックもしていた自分であり、インド以降は肉よりむしろ野菜が大好きになった自分でもあるけれど、これは正真正銘、全世界に向かって最高に美味い牛肉だったと大声で叫びたい。


そしてこのアサドでお腹がいっぱいになったら中心街を英雄広場の公園まで散歩する。目的はもちろんテレレだ。脂っこい中華料理の後のジャスミン茶は格別だけれど、パラグアイの肉料理の後に飲むこのテレレも負けていない。テーブルに並べられた各種ハーブを選んで臼で潰してその汁に氷水を注ぐ。その冷えたハーブ汁でマテ茶を出して飲む。単体でもビタミン、ミネラルに溢れたマテ茶にハーブが加わり清涼感と味わいはさらに増す。屋台でポットとマテ茶を入れたカップのセットを貸してもらい、公園の自分の気に入ったベンチやら芝生やらでのんびりと飲むのが英雄広場スタイルだ。カップルや仕事の昼休みのビジネスマン、のんびりしているおばちゃん達、西洋人のバックパッカー、色々な人たちがテレレのポットとマテ茶のカップを手にうろうろしたりくつろいでティータイムを楽しんでいるのを見るのはいいものだ。

もちろん生水を使っているし、その生水も恐らく公園の水道から普通に汲んでいるものなのでお腹の具合が気になる人は熟考して飲むかどうかは決める必要がある。
by djsinx | 2011-03-05 14:46 | 旅の記録
<< 35時間バス移動でボリビアのコ... パラグアイ旅情報 アスンシオン >>