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Count Down Party!!!

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朝、少し遅めにShiva Restaurantで朝食を取る。その後祭り見物も軽く兼ねながらフライヤーを撒きに行く。友達のいる宿まで行き、そこでしばらく話し込んでからゆっくり歩きながら戻る。さすがに人手も多い。音好きそうな人を見つけては手渡す。こういう地道な手ごたえは好きだ。シンプルで顔が見えるのがいい。帰りにTobyに会うと、これから準備をして向かうということ。こちらも部屋に帰って準備を済ませ、Yellow Planetに向かう。

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到着してPCを立ち上げるとどうにもTrackorの様子がおかしい。画面が勝手にぱらぱらと切り替わってしまう。どうやら音には問題ないようだけれど操作が大変困難だ。しかたないのでとりあえずスパイウェアのチェックをかける。まだ時間があったのが救いだ。その合間にゆっくりTobyが音をかけながら晩ご飯をいただく。特製のダルバート。これがとても美味しい。

先にTobyに回してもらいながらこちらもチェックを続ける。だけど成果は芳しくない。しかもTobyのPCも調子があまりよくないらしい。仕方ないので画面が変わってしまう状態のままチェンジする。20時半ごろだ。

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実際使ってみると使いにくくて敵わないが不可能ではない。音がおかしくならないのが唯一の救いだ。でも操作を誤れば誤ったなりの結果になる。細心の注意を払いながら曲を繋ぐ。Shivaの試練はいつもこうだ。全く意味が分からないけれどとにかく何とか耐え抜くしかない。理不尽さに文句を言っても何も解決しない。自分の不注意を後悔している暇もない。早くも集まりだしたフロアのクラウドを前には『躍らせる』以外の選択肢なんてどこにもないのだ。PCがウィルスにやられていようが音を出せる限りは出し続けなければならない。タイタニック号の気高いカルテットのように。

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23時ごろにTobyに再度変わろうと考えていたが、TobyのPCに変えようとすると音が飛ぶ。どんなトラブルか特定できないがフロアはもう人で埋まってきている。ここで無理やり変えるのは得策ではない。引き続き俺が回す。23時半にはフロアは大煮えになっていた。あちこちでディナーを済ませた旅人や、仕事を上がったローカルが集まってきていた。もう一度Tobyが変えようとしてみたがうまくいかない。この状態からのチェンジは諦めるしかない。そうしたらもう、カウントダウンは俺がやるしかなくなった。面白い。こう来るとは面白い。相変わらず画面はぱらぱらと変わってまともに操作するのも一苦労だ。どうにか曲を選び、その瞬間に向けて盛り上げていく。

後5分というところでTobyがやってきて、

「新年の瞬間には一度音を止めてディープなアンビエントを5分くらいかけてみんなが新年を祝う時間を作りたいんだ。できるかい?」

できる。ディープなアンビエントなら一番の得意分野だ。でも頼むから5分前に言うな。とはいえやるしかないからやる。こういう時にかけるなら定石中の定石だ。Eno先生のAscentにお出ましいただくことにする。そうこうしているうちにいよいよカウントダウン。上げる曲にしていたのでフロアは大騒ぎになっている。大体新年というところで時計を見ながら首をかしげ

「本当は今なのかよく分かんないんだけどね」

と言いながらTobyはやおら音を下げて、

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「よし、5、4、3、2、1、ハッピーニューイヤー!!!」

と適当なタイミングで大絶叫。フロア中で歓声が沸き起こり、みんなが周りの人と楽しそうに笑いあいながらハッピーニューイヤーと連呼している。じーんとくるものがある。いろいろあったけれど年を越えたんだなぁとブースの中で一人感慨に浸ってしまった。

そこにゆっくりとEno先生の御曲をかけていく。激しく曲がった音の真ん中の静かな中心。台風の目のような静謐で親密な新年の時間がそこにはあった。何人かのトラベラーがフロアの真ん中にキャンドルをたくさん立てていった。まるでバースデーケーキみたいだ。新しい年が生まれたんだしそれでいい。それがいい。

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そしてその曲が終わり、再び音が酷い具合にひん曲がる。曲げているのは他ならぬ俺だ。フロアは異様なエネルギーに包まれ、キャンドルの周りに円を描いて踊りながら回り始める。うっわぁ、すごいことに。そんな目で俺がブースにいるともしらず、フロアのクラウドはローカルも旅人もへんてこな踊りをしながらキャンドルの周りをきれいに輪になって回ってる。確か昔山梨県でもこんな光景を見た気がする。

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その後もしばらく回し続け、1時ごろにようやくTobyのPCに繋げ変えることができ、終了。あの状態のPCで4時間半ぶっ続けのダンスは激しく修行だったけれどものすごく楽しかった。全力を出し切るのは気持ちのいいものだ。外に出てみると月食が始まっていた。これはサプライズにしていたのでこの時Tobyに教えてあげる。

そうしたら曲を繋いでいたTobyは

「なにっ!それは本当か。素晴らしい!」

と言ってブースからぴゅーーーーと走って出て行ってしまった。追いかけていくと空を眺めては周りの友達に

「見てみろよ、月食だよ。今夜にふさわしいスペシャルなイベントだ!」

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と大興奮だった。他の店のPartyがこの頃に終わったようで、新しく入ってくるお客さんがこの時間から結構増えてきた。Tobyはもうノリノリで遊ぶ気満々だった。お店の人に聞いてみても、今日は音は問題ないからどんどんいっちゃって!と太鼓判だ。そこまで言われたら遊ぶしかない。音はひたすら変態臭い流れで続いている。ローカルのへんてこ踊りも気がつけば板についてきた。立派である。

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客もTobyもいつになってもやめる気配はなく、3時半を過ぎてさすがに眠くなったので話をする。もうちょっとしたら終わりにするねというので軽く撤収の準備をする。そして4時に終了。本当にいいPartyになったよと言われる。まさかこんなにたくさん人が集まって、しかも遅くまで思いっきり遊びきれるとは思わなかった。ラッキーもあるし、準備したからできたこともある。でもとにかくやりきった。しかも自分のDJ歴10年目の突入をポカラでカウントダウンしてしまうとは。自分としてとてもスペシャルなPartyになった。
by djsinx | 2010-01-01 00:00 | Partyの記録
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