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Arnhemland、GunbaranyaのOpen Dayへ

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朝早起きしてしっかり朝食を取り、Arnhemlandに向かう。昨日よりはずいぶん水面は低く、渡りやすそうだ。他の車も渡っているのを見て意を決して渡ることにする。

ざぶざぶざぶざぶ。

何とか立ち往生せずに向こう岸まで辿り着く。わずか20秒ほどだけど脇の下と手のひらは汗びっしょり。人食いワニのいる川を自分で、しかも中古の2駆のミツビシで渡ることになるとは思わなかった。もちろん帰りもある。ワニはいなくとも立ち往生だけでも大問題だ。

そして未舗装の道を走り始めて気がついた。川を越えた途端に全ての景色が変わったのだ。

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果てしなく平原が広がり、あちこちに岩山が立ち並んでいる。まさしくStone Countryの名にふさわしい景観だった。Kakaduと川を一本隔てただけなのにいきなりの変わり用にびっくりした。車の量はそれなりにあり、現地の人々に混じって旅行者らしき人々の顔が車の中に見える。やはり人の集まる特別な日だからだろう。
13kmと未舗装の道にしても長い距離ではないので1時間もかからずに街に到着する。多少は西洋的かと思っていたが、その通り、道と電線と家が並ぶ比較的「普通な」街並みだった。

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学校の校庭がメインの会場になっている。これは外部からの観光客へのイベントであるのと同時にアボリジニのためのものでもある。この機会にと人権であったり衛生についてのパンフレットを配る人々や軍隊への志願者の募集などもある。アボリジニの部族社会とオーストラリアの西欧社会が交わるところの情景だった。実際に頻発しているアボリジニ関連の問題もあるため、こういったある種の干渉はなしでは最早済まないのだろう。ともあれ、全てが穏便に、にこやかに行われていたことは間違いない。フードブース等も立ち並び、雑貨やおもちゃを売るストールまである。まさに縁日のお祭だ。

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会場から少し歩くとアートセンターがある。ここでは様々なアボリジニアートの作成を見ることができる。技術と文化の継承と共に彼らの現金収入への道ともなる。

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近くの岩山のRock Artを鑑賞するツアーがあったので勢いで申し込んでみる。せっかくここまで来たのだから楽しみきらなくてはもったいない。そんな気分だったし、何よりArnhemland内部のRock Artには興味があった。ツアーは1時間ごとに出ており、参加者も結構多い。老夫婦も家族連れもいる。私達の回の時にはNoelというおじいさんのガイドがついた。

小型のソンテウのようなバスに乗り、岩山へ。軽く説明を聞いて登り始める。

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NoelがそれぞれのRock Artの説明をしてくれる
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そして眺望が開ける。Ubirrを超える目も眩むような遥かな空間が広がる。
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誰もがしばしこの光景に見入り、思い思いに写真を撮ったり歩き回ったりする。この辺りのおおらかさがとてもAustraliaっぽくてよい。日差しが強いので30分程度で頂上を後にし、岩山を下って街に帰る。

そしてちょうど帰り着いた頃にメイン会場で伝統的な儀礼の踊りとディジュリドゥの演奏が行われる。Dreamingでも見ていたが、この場所で見るのはやはり重みがある。シンプルながらも大地そのものを思わせる踊りと音に圧倒された。

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夕方からは街に一軒あるコミュニティセンター的な、実際はBarのようなお店でコンサートが開かれた。観光客もアボリジニも大勢集まってくる。出演者は皆アボリジニのアーティスト達だ。現地の若いグループもいれば、同時期に開催されているDarwin FestivalからやってきたJimmy Littleのような大物もいる。それだけこのイベントが広く知れ渡り、大きな意味を持っていることが分かる。

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Hip HopのLiveの時には女の子たちは皆Black Musicのセクシーダンス。やはりアボリジニには自分たちをBlackとして認識するアイデンティティを持っているのだと感じた。遠く離れていてもアメリカ大陸で自らの地位を築き上げ、文化を世界的に知らしめた彼らと響きあうものが大きいのだろう。

やがてコンサートは終わり、野外の映画上映などもありつつ、夜は更けていった。
by djsinx | 2008-08-24 20:22 | 旅の記録
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