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プシュカルの日々

この街はラジャスタンにありながら、少しリシュケシュとも近い匂いのする
不思議な街だ。ブラフマーの聖地であり、旅人にとっては世知辛くて乾ききった
ラジャスタンのオアシスでもある。文字通りこの街の中心には湖があり、
ブラフマーの創世神話の重要な舞台でもある。湖の半分を取り囲むように
市場があり、国内外のツーリストや旅人で賑わっている。

ラジャスタンの特徴でもあるのだが、他ではよく見かけるダバが少ない。
そしてそうしたダバでもメニューは結構高い。代わりに屋台のファラフェルラップを
売る店が繁華街の真ん中にあり、いつも賑わっている。フルーツジュース屋や
おいしいコーヒーやピザを出すレストランがあり、ラジャスタン中のおみやげ物が
一手にここに集まっている。

今は湖が工事のために空っぽになっているため、いつものその美しい姿は
ポストカードを見ながら想像するしかない。有名なキャメルフェアも今年は湖が
なかったために例年よりもずいぶんと集客が少なかったということだ。
この工事も、傍目には乱暴なことのように見えるけれど、数年前から水質が
急激に悪化して湖の魚が死滅するに至って、全てを大掃除しなければ
ならないという決断がなされたということだ。ただ、これもプシュカルの
住民のバッドカルマのためだという認識はあり、信心深い人の中には
気が触れてしまう人もいたということだ。ヴァラナシの「ガンガーが涸れる時に
街が滅びる」という伝説を思い出してしまうが、ここでは実際に湖はからからに
乾涸びている。

もちろん多くの住民はマイナスの経済効果に頭を悩ませつつも元気に暮らしている。
人懐っこくて時折ウザいのは当然だけれども、とてもいい人が多い。顔を覚えて
ニコニコと話しかけてくる。ただしジプシーだけは要注意。彼らは全てについて
金、金、金であり、親しくなったと思ってもそれはさらなる金を狙っているだけである。
決して彼らを信用してはならない。決して彼らから何かをただで受け取ってはならない。
嘘だと思うなら自分のお金で試してみればいい。面白い体験はできるかもしれない。
by djsinx | 2009-11-18 17:52 | 旅の記録
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