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「音楽」の反義語は「無関心」である

風営法で大阪のクラブが摘発されたとき、私は自分が多少不安だったが、大阪在住でなかったから何もしなかった。
ついで風営法で京都のクラブが摘発された。私は前よりも不安だったが、京都人ではなかったから何もしなかった。
ついでサルサバーが、ゲイバーが、ガールズバーが攻撃された。私はずっと不安だったが、まだ何もしなかった。
風営法はついに東京のクラブを摘発した。私は東京のDJだったから行動した―しかしそれは遅すぎた。


反ナチス運動で知られる牧師、マルティン・ニーメラーの有名な詩を少しだけもじると、風営法に対する関係者や音楽好きの態度が浮き上がってくる。それはつまり、「他人事」と「無関心」だ。

自分の身に直接危害が加えられるまでは、看過できないようなことが行われていても他人の問題として関心を持たない。アメ村のクラブが摘発された時、アメ村以外の大阪のクラブ経営者はアメ村のことだと考えた。でも摘発はキタにも及んだ。その時京都のクラブ好きは大阪のことと考えた。私のことだ。

京都のクラブが摘発されるに至り、大きな問題だと認識したが、東京や福岡のクラブ好きは関西の問題だと考えた。そして福岡のクラブが摘発された。

サルサ愛好家たちは自分たちの踊るサルサバーが摘発され、閉店に追い込まれるのを見るまでは、これはクラブの問題だと思っていただろう。

自分たちがまだ踊れているという事実は、これからも問題なく踊り続けられることを意味しない。なんら保証しない。自分の住む地域を管轄する警察が絶対にそんなことをするはずがないと全幅の信頼を置いているというのだろうか?他県で起こったことが自分の身に降りかから無いという根拠のない確信はどこから来るのだろうか?

残念ながらその出処は他人事として無関心でいたいという怠惰さだけだ。もしくは自分事として考えるだけの想像力の欠如だ。好きなことだけ、目の前の関心事だけに専念したい気持ちは分かるけれど、それを続けていくために必要なことがあるなら、やらなきゃいけないと思っている。

今更古き良きNo Music, No Lifeなんて蒸し返すつもりはないけれど、音楽に身を委ねて踊る楽しさを知った人間がこの場所を守らなくて、一体誰が守ってくれると思っているのだろう?

15万筆を集めた署名は今国会に届こうとしている。でもやれること、やるべきことはこれからの方がはるかに多い。多くの否定的な人々や、音楽に大きな関心を持たない人々の目にさらされる時がやってきている。他人ごととして無関心でいたあなたたちにも視線が注がれるのだ。

どう動き、どう変え、どう維持していくのか。今それが音楽やダンスに関わるすべての人にとって他人事ではなくなる。覚悟を決め、準備を始めたほうがいい。音楽が好きで、これからも踊り続けたいなら。
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by djsinX | 2013-04-24 16:01 | Music