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Utopiaからマドリードへ

830

朝の10時にマドリード行きのBoom Busが出るので朝一に支度をしてテントを撤収する。昨夜の夜中に音が止まっているのでみんな引き上げは早めだ。無理もない。初日から来ていたなら12日間という長丁場だったのだ。涼しい気候のおかげで体の疲れがないからか、歩く距離が短いのが分かっているからか足は軽い。バス乗り場には既に何台もバスが止まって乗客を待っている。リスボン行きとマドリード行きがあり、それぞれ並んだ順にバスに乗り込む。午後の5時にはマドリード空港に到着する。

名残惜しいというより感謝の気持ちでいっぱいだった。最後の最後までやり尽くしてくれた、そういって過言ではない。物足りないというのでも、お腹いっぱいというのでもない。自然と満ちるべく自分の中が満たされている感じなのだ。そしてそれはどこか他から来ているのではなくて、自分の中から溢れ出てくるものなのだ。

途中でサービスエリアで休憩し、昼食。スナックとパンを買い、ゆっくり食べる。マドリードでの宿も決めていない。シーズンも終わりに近いはずだし大丈夫だろうと高をくくっていたけれど少し心配でもある。

バスは快適にハイウェイを走り続け、もうちょっと休んでいたいと思っていたけれど予定をさほど遅れることもなく到着。Boom前に一夜を過ごしたカフェを横目に市内への地下鉄乗り場に向かう。カートを置いて思いバックパックを背負い地下鉄へ。辺りをつけていた駅までは乗換えがあるようだけれどとても入り組んでいてよく分からない。ひとまず環状線まで出て駅の地図を調べて何とか行き方を把握する。途中で携帯電話のSIMカードを買い換える。10ユーロで10ユーロ分の通話料がついているのでひとまずお得だ。

市内の地下鉄は空港からのものに比べてかなり混んでいる。荷物が大きいと一苦労だ。それでも何とか間違えずに乗り換えて目当ての駅に到着する。まだ夏だから日が高いのが救いだ。ガイドブックを頼りに宿を探すとなんとか空きのあるところが見つかる。ダブルで40ユーロと他の国に比べれば安いのでそこに決める。洗濯やら充電やらいろいろと文明の利器に用事があるし、長居する予定ではないのだ。

シャワーを浴びて近くのレストランで乾杯する。なにはともあれ、だ。料理もブルスケッタ方式で色々食べられて楽しい。久しぶりにテントではないベッドだ。早めに休む。
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by djsinx | 2010-08-31 03:26 | Partyの記録

本物のUtopia

829

Utopiaの間のことは正直筋道立てては覚えていない。着いた翌日からDance Stageで音が出始め、そこからはずっとフロアにいた。UtopiaはBoomとは違って山間の林の中が会場だった。今まで悩まされた灼熱の太陽から守られ、会場内には気持ちのいい泳げる池もあるのだ。シャワーも水場も目の前で、テントサイトもBarやレストランも歩いて5分かからない。全てがコンパクトで、完璧なロケーションだった。

時間は永遠になり、空間は無限になる。神話の世界が顕現して私たちはそこに参入する。過去や未来や他の場所が「今、ここ」になる。私たちを包んでいた膜が消え去り、私たちを縛っていた重しは解き放たれる。世界が輝いて、違った言葉を語り始める。そこで行われるのは聖なる遊びだ。自らの中に世界の流れを通し、それに身を任せ、波に乗る。世界の言葉を私たちは理解し、その言葉と一体になって戯れる。メーターが振り切れ、最後の重しを振り切ってばちんとスイッチが切り替わる。Boomの一週間の後、ここまで来てようやくそれが起こったのだ。そして一度切り替わったスイッチは、元には戻らない。切り替わった先の世界を知った後では知らなかったところには戻りようもない。

そうしてこのPartyは自分にとってとても特別なものになった。

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Utopiaにはシンヤ君とチハルちゃんも来ていて物売りをしていた。ヨーロッパのフェスではゲリラ的な出店はかなり自由で、いろいろなものを売っている。買い付けてきた服や小物、自作のアクセサリーからお菓子までカラフルに揃っている。そういうのを見るのも楽しみのひとつなのだ。一緒の場所に店を出していたのはスロヴェニアから来たシルキー、フランス人のスイッシュにタッキー。シンガポールでDJをしているアンドレア。そういう物売り仲間ができて次のフェスでも会って遊ぶ。普通に回っているのとはまた別の時間や繋がりが流れている。
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by djsinx | 2010-08-30 23:50 | Partyの記録

Utopia Festival へ

826

朝起きて撤収をする。スレン達はポルトガルのどこかのビーチで何泊かゆっくりしてからドイツに戻るという。ポルトガルの暑さはドイツ人の彼らにはちょっと大変だったようだけれど、後半からずいぶんノリノリで遊びまくっていて大満足だという。また是非一緒にBoomで遊ぼうと約束する。駐車場までの長い道のりを彼らが往復している間にこちらも撤収を済ませてBoom Busの発着所に向かう。乗り遅れたらどうなるか分からないのでなるべく早めに着こうとするけれど、まだ日が高くて、フル装備を背負っていると熱中症で倒れそうになる。もちろん自力で辿り着くしかないのでがんばって歩く。

予定の午後5時の30分前には到着したけれど、既に長い列ができていた。それでもバスもたくさん待っていて、片っ端から乗せては出発していく。我々は最後のバスだった。荷物を貨物室に放り込み、本当に久しぶりにエアコンの効いたバスの中に転がり込む。今までは暑ければ泳ぐ世界だったのが、冷房設備である。未来の乗り物にでも乗ったかのような気分だ。誰かが嬉しそうに

「I am going to UTOPIA!!!」

と叫んでいる。気持ちはとてもとてもよく分かる。乗り遅れそうになった人を拾って、ようやくバスは走り始める。Utopiaの会場は近くだと聞いていたけれど、山道を迂回しているのかハイウェイに入ったりと時間がかかる。暗くなるまでに到着するかと思っていたけれど、途中で買出しがしたいという人が多かったので途中の街のスーパーで止まる。ATMで現金を引き出す人から大量のビールや食料を買い込む人まで、準備に余念がない。

そこを過ぎるとまもなくバスは会場に到着。またいかつい警備員に無愛想にいろいろ聞かれながら中に入る。一番奥がテントサイトということで、到着するともう既にすごい数のテントが張り巡らされている。とりあえず林の中なので暑くて大変ということはなさそうだ。人は次々に到着しているのでめぼしい場所を見つけてさっさとテントを張る。こういうときはすばやく動くに限る。

この夜はAltanative Stageだけが動いている。テントを建て終わって遊びに行くとLisbon Alien Orchestraという不思議な名前のフィンランド人のArtistがLiveをしている。やはりフィンランド人だけあってかとても不思議な音を出す。フロアの近くのお座敷エリアでポートワインを試しながらゆっくり音を楽しむ。お酒が回って夜中過ぎにはテントに戻って糸が切れるように眠る。
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by djsinx | 2010-08-27 23:47 | Partyの記録

Boom Festival 最終日、しかし祭は続く

825

これぞ本番というフルムーンの夜が終わってみんなの顔付きが少し変わった。もうすぐ終わるBoomを惜しく思っている人、After Boomに向かう気満々の人、誰にとっても今夜の夜中までのPartyだ。それでも肩の力が緩んで、全体の空気がふっと抜けた感じがする。何か巨大な渦を抜けてきたような、いろんなものがきれいに洗われて真っ白になったような、そんな気分だ。

お昼過ぎからMinilogueのLiveがあったのでGroovy Beachに聴きに行く。ここも人でいっぱいだ。降り注ぐ霧を頭から浴びながら踊る。暑くなれば近くのビーチに行って泳ぐ。疲れたら木陰に布を広げて一休みする。自由に動いてそれが何の問題もなく心地がいい。体や心の中にあった緊張が全部抜けきっていく。思い残すことはない。後は音が出ている限り好きなように楽しみ尽くすだけだ。

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結局夕方まで遊んでしまい、テントに戻って着替えるついでに一休みする。最後にSystem7のLiveもあるらしいのでせっかくだから行ってみることにする。その前のDimitri Nakovも懐かしい音。踊り収めだとフロアで遊んでいるけれど、時間になってもSystem7は始まらない。ずっとDimitriがプレイし続けている。音の感じも同じだし、そもそもSystem7は2人いるはずだ。見間違いはない。とりあえず1時間ほど踊って待っていたけれど現れないので撤収。

全力で満喫したBoomではあったが、我々にはAfter BoomであるUtopia Festivalが待っているのだ。ここまで1週間楽しみつくして大満足した後にさらに3泊のParty、いったいどうなってしまうのだろうという感じだが、ここまで来たら引いてなんていられるわけがない。突撃である。
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by djsinx | 2010-08-26 23:40 | Partyの記録

Boom Festival フルムーン

824

今晩はフルムーンになる。Partyも今夜が最高潮だ。Dance TempleはSaikopodが昔の綴りのPsycopod名義でLiveをやる。BoomのGoa Tranceへのこだわりは熱い。それと同じ時間帯にSacred Fireでは20時から翌朝6時までの「All Night Ethno-Trance Jam Session」なるものがあり、オーストラリア人のWild MarmaladeやフランスのHilight Tribeも出演するという。超迷う。とりあえずPsycopodが始まるまではJam Sessionに行ってPsycopodが終わった時にその後のことを考えることにする。

Sacred Fireに行くとWild Marmaladeの音が聴こえてくる。あのディジュリドゥの音は忘れられない。フロアはもう人でいっぱいだ。2年前にニンビンで聞いたときよりもより野太く、そして疾走感が増している。それでいて緻密で繊細な音使いで飽きさせる瞬間がない。彼らのバンドの後に別のバンドが出てくるけれど、そこからがJam Sessionの本番だ。2つのバンドの音が絡まりあい、聞いたこともない音が飛び出してくる。その音を自由自在に操りながら音楽は進む。フロアは大興奮でうねりの中に飲み込まれる。

気がつくとPsycopodの時間が近づいてきたのでひとまずDance Templeに戻る。ここに戻るか、向こうで踊るかだ。フルムーンなのにおとなしく寝ているつもりなんて毛頭ない。

Dance Templeに戻るとシンヤ君とチハルちゃんに会う。いつも通りフロアの見渡せてスペースのある正面後方だ。辺り一面にファンクションワンがあるため、どこにいても音がいい。やがてPsycopodのLiveが始まるが、今夜はいつも以上に人でいっぱいだ。Liveは自分がDJを始めた頃に聴いていたまさにそのどツボの音だ。10年前のことが昨日のように蘇る。あの頃に10年後の自分なんてもちろん想像できていなかった。DJを続けていて、結婚もしていて、終わりも決めない長い旅に出て3年近くを過ぎたBoomのこのフロアで一周してこの場所に戻ってくるとは。永遠みたいに長く感じた10年がこうして巡った。この旅の間にいろいろなものが巡って一周した。もう一度その場所に立ち、そこから先に進む道がようやく感じ取れ始めてきた。これでよかったのだ、と素直に感じられる。

Liveは絶好調のうちに終わって一息ついてからまたDance Templeで踊り続ける。今夜はTranceだ。もう何も考えない。夜が更けてきてFrantic Noise vs MegalopsyのLiveからPhatmatixへの流れは非常によかった。GoaとSuomiの雰囲気を併せ持つ、曲げと変態のTranceだ。この夜にアゲだけでなくこういう曲げを持ってくる辺りのやり方は本当に遊び心がある。

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Phatmatixの最後の曲がかかる。不思議な声が『Eat Static』と唱え始める。そして銀狼のような風貌のEat Staticが現れる。夜は明け始めて踊っている人の顔が見え始める。フロアの外で空を見ながら踊っている人もいる。Liveがかなり激しかったので明るくなった空の下に出てしばらく踊る。沈んでいく満月が見える。

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もうエネルギーはすっからかんだ。途中でふらふらとテントに戻ると朝日の最初の一片が目に飛び込んでくる。朝まで踊ってしまった。月は東に日は西に、の逆である。スレンのPartyで久しぶりに徹夜で踊ったと思ったらここでもまただ。

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忘れていた何かの感覚が蘇ってくる気がした。日本のPartyで久しく感じなかったものだ。全てがキラキラと憧れに満ちた光を放っていて、どこを見てもどこにいて何をしていてもこれ以上ないほど満たされて心が楽しんでいる。一歩進むごとに見知らぬ素晴らしい何かが転がっているような予感。時間と空間が姿を変える。不思議の国、楽園、神話の世界、そうとしか言いようのない空気が満ちていて、世界の有様を変えてしまうのだ。
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by djsinx | 2010-08-25 23:30 | Partyの記録

Boom Festival 会場内探検

823

目が覚めたのは日が高くなってからで、起きた理由はその暑さだ。相変わらず昼間の太陽は堪える。買ってあった桃をかじって朝食へ。ついでにセキュリティボックスにPCと貴重品を預ける。ヨーロッパの大きなフェスではどこでもそうだが、後半になると泥棒が出始める。EU内でも格差は歴然としてあり、マフィア等の大きなルートから個人レベルまで、どんな形にせよお金を欲しがっている人はいるのだ。それだけ人が行き来し、交わっているこのヨーロッパならではの事情とも言えるけれど、貴重品管理は旅の間どこででも最重要事項だったのでその場所に合わせて最善を尽くすだけである。

貴重品が手元にないと気が楽なのでそのまま泳ぎに行く。手近なビーチの空いているところに布を広げ、服を脱いで飛び込むだけだ。常時水着着用なので問題は無い。水から上がればあっという間に乾くし。人は大勢いるけれど、みんな同じこのBoomを楽しみに来ている人達だから面倒なことを気にせずに落ち着いていられる。水に入ってはビーチで甲羅干し。また気が向いたらいい音の流れるフロアに遊びに行って、暑くなればその近くで水に入る。パラダイスだ。もちろんゆっくりできるチャイ屋もある。

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夕方からスレンお勧めのSandmanのLiveに行く。この時間はまだまだ明るい。最初にインド古典楽器を使った短いLiveが入って人が集まりはじめ、Sandmanの時間だ。彼の音は、何と言うか、Goa TranceがPsychedelic Tranceと呼ばれ始め、色々なArtist達が様々な発想で音を作っていた時代のGoaの色彩を残すPsychedelic Tranceだった。自分が聞き始めた頃に好きなタイプの音だったし、それがまた新しく聞こえるのだ。こちらが10年分生きたからかもしれないし、音も10年分進化しているのかもしれない。いろいろな意味で。

彼の次はこれも懐かしいShiva Jorgだったけれど、SandmanのLiveが終わっても彼の姿が見えず、Sandmanが何やらDJのようなことをしているように見える。Hallucinogenがかかったりしていて、様子が分からない。Jorgは一目見れば分かる風体だけどどこにもいないしいつになっても出てくる気配がない。ドタキャンなのだろうか?SandmanのDJはLive程ではなかったので理由不明のままスレン達と一緒にフロアを離れる。まあ、Live終わった瞬間に突然今からDJやれと言われても無理なのは分かる。

Sacred Fireまで歩いて、せっかくだからとHealing Areaまで足を伸ばす。最初に行って以来こっちまでは来ていない。あちこちにブースがあり、ゆっくりした音がかかっていたりタントリックヨガのワークショップが開かれていて、性的オーガズムの大切さについて切々と語っている声が聞こえてくる。一番奥ではスウェットロッジが行われていた。Boom期間中毎晩やっているというのはすごいことだと思う。既にセッションは始まっていたので様子見だけして戻る。

その後はスレン達と別れてマーケットのあるZen Gardenとやらを散策する。いろんな場所でそれぞれにくつろいでいる人がいていい雰囲気だ。どこまで歩いても祭の中にいる。もう明日はフルムーンだ。天頂に眩く月が光っている。

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帰りにThe Dropという素敵な名前の総合アート施設に寄ってみる。ここはギャラリーがあり、ワークショップが行われ、シアターパフォーマンスを見ることもできる。やり過ぎだろ!って思うくらいすごいのだけど、どうせやり過ぎるなら思いっきり悪ノリしてやりたい放題やればいいのだ。BoomはWell Organized過ぎるっていうのはよく聞くけれど、これは個人的にはやりたい放題作り込みまくった結果だと思って好意的に見ている。

この時はDVJのAndroid Loveという人が映像と音を使ったLiveをやっていた。よく分からない不思議な映像からスターウォーズ、キル・ビルまで自分の音と映像を組み合わせてすごい世界を作っていた。VJとはまた違う方向性のLiveだ。昔クリス・カニンガムもこのスタイルでLiveをやっていたけれど、アレは酷かった。いい意味で。この人のLiveもそれに通じる発想があり、映像技術を存分に曲げに使っていてとてもよかった。
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by djsinx | 2010-08-24 23:24 | Partyの記録

Boom Festival 2年越しのHaltyaのLive

822

朝起きて無事にフロアにたどり着く。シンヤ君とチハルちゃんのカップルにフロアで会って一緒に踊る。Man with no nameのLiveがやがて始まるけれど、これがまたGoaなセットでいい。Artist達もこのPartyのコンセプトを分かっていて、Goaをやる人は間違いなくGoaで攻めてくる。

昼間のDance Templeは暑いかと思いきや、ちゃんと巨大なシェードが張り巡らされていて涼しくて気持ちがいい。日差しさえなければ空気は乾いているので蒸し暑さは感じない。しかも頭上に噴霧器のような細かいシャワーが設置されているので、その近くにいれば常に霧雨を浴びているようになりとても気持ちがいい。もちろん目の前はビーチで飛び込みたければ飛び込めばいい。水着を着ていなくても問題は無い。素っ裸になればいいだけだ。そんな男女が普通にビーチではくつろいでいる。

4人でビーチとフロアを往復しながら結局15時に音が止まるまで踊り倒してしまった。Man with no name以降の流れも非常に良かったし、何よりフロアとしても周りの人の感じも居心地がとてもよかったのだ。


この日は夜も楽しみだったのでフードエリアで腹ごしらえをする。ベジタリアンプレートのお店がおいしそうだったのでそこを選ぶ。日替わりのベジフードを何品かプレートに選ぶことが出来る。一つ一つの料理も美味しいし、コンビネーションもいい。マンゴージュースもあって、これが疲れには最適だ。フードエリアにはローカルの八百屋も出ていたので食後に桃を買う。3つで1ユーロとこういう場所では破格の安さだ。酸味と甘味が強くてリフレッシュさせてくれる。手軽なのでこのParty中は本当にいつもお世話になっていた。

一度テントに戻って夜用の身支度をする。深夜過ぎには間違いなく冷えてくるので半裸では持たないのだ。00ODのLiveにスレン達と一緒に遊びに行く。VuuVでも顔を合わせていた彼らのフランクフルトの友人たちとも合流する。22時だけどまだ黄昏時だ。立ち上がりに最適な感じ。後ろのフードエリアやマーケットでくつろいでいた人たちが音に誘われて楽しそうにフロアに集まってきて、今夜も踊り明かそうという人たちの空気が満ちる。このLiveは映像とコラボしていてそれも非常に楽しめる。

00ODがよかったのでその後の流れにも期待していたが、次に続いたFilteriaのLiveはちょっと物足りなかった。彼はBoomのパンフレットでもピックアップされており、Neo GoaTranceというジャンルに分類されていて、気になっていたのだ。でも実際はFull Onのビートと雰囲気にただGoa Tranceっぽい曲がった中音域の音を入れ込んでいるだけで、Goaの持っているある種の呪術性はどこかに消えてしまっていて、ダンスミュージックの域を出ていないように感じた。もっと魂の根っこのところから曲げてくれなきゃねぇ。。というのが正直なところで途中でフロアを離れて一休みした。

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個人的に本番は夜中過ぎからLiveのあるフィンランドのSuomi TranceのArtist、Haltyaである。2年前のオーストラリアのRainbow Serpentでは自分のChillout DJの時間と彼のLiveががっちり被ってしまって踊れなかったのだ。今こうして地球の反対側で全力で堪能できるのは幸運である。

Ambient Paradiseの近くの木陰でしばらく休み、時間を合わせてDance Templeに戻る。そろそろHaltyaのLiveだ。フロアの後方にいると、音が一度止まっていきなり変な音が流れ始める。非常に分かりやすくLiveが始まった。

始めはゆっくりと焦らしながら曲げていく。周りで踊っている人達が気がつくと変てこな踊りをし始めている。これこれ、この感じだ。派手ではないけれど気持ちよくずっと踊っていられる音だ。音に身を任せて揺れるように踊る。今日はこのノリで行くのかなと思い始めた30分後、ここからが本領発揮だった。

うっかりしていたらもうそこはWickedな音の万華鏡のど真ん中だった。四方八方から音がうねり合って、弾ける。そこに上から降ってきたかと思えば地面から生えてくる。フロアは巨大な渦になって濁流のように色彩が流れる。もう無茶苦茶である。こんなのをずっと待っていたのだ。縦横に飛び回って踊り狂う。Haltyaは最後の最後まで手を緩めることなく攻めきる。ど変態の阿鼻叫喚の嵐だ。

Liveが終わって大満足して、それ以上他の音で踊る気もせずにAmbientで一休みしてテントに戻る。
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by djsinx | 2010-08-23 23:17 | Partyの記録

Boom Festival Tripical Beachへ

821

スレン達がビーチに遊びに行くというので一緒に行く。Tripical Beachという極楽ちっくな場所だ。途中にParty中に気分の優れない人に特別なケアを施すKosmicareという救急ブースがある。リアルな救急所とはまた別の用途のようだが、この辺りの用意周到さもすごい。その先の丘を越えるとBeachが見える。ゴアのサウスアンジュナを激しく思い出す。もう、どこを見てもフラワーだ。Barの2階にはブースがあってDJが楽しそうに回している。ちょっと暑そうだけれど、これだけ気持ちのいい場所ならば気にもならないのかもしれない。

ちょっと離れたところには水上Barもある。チケットだけ地上のBarで買って水上Barでモヒートを頼む。デッキに座ってもいいし、半分水に沈んだネットに寝転んで水に浸かるのもいい。もちろん泳ぎながらもOKだ。目の前のDJの他に、時折風に乗ってGroovy Beachの音も聞こえてくる。ここはどこまで行ってもPartyなんだ、と考えるとそれはすごいことだ。

気持ちがいいし水から上がると非常に暑いのでそのまま夕方近くまでゆっくりと過ごす。踊るだけではなく、過ごしたいように過ごせる。もちろん暑さと日差しで行動は制限されるけれど、それを楽しめれば遊びはいくらでも広がる。夕方には木陰に移ってサラダプレートを食べる。とにかく体が野菜を欲している。実に必要としているのだろう。

昼は泳いで結構疲れたので一休みして夜中からのAmbient ParadiseのMurcofを聞きに行く。Ambientは今回ちょっとヒーリング、スピリチュアル系に寄り過ぎている様に感じたのだけれど、彼の音は昔から好きだから楽しみだ。前のDJが終わると分かりやすく音がドローンなAmbientに変わる。屋根のあるフロアはほぼ満員だったので外の草地に布を強いて寝転ぶ。星を見ながらAmbient、ものすごくいい。もっとこういう本気で飛ばしてくれるAmbientがたくさんかかればいい。

今回は突然のヨーロッパ訪問だったから仕方がないけれど、次はぜひこのブースにエントリーしてプレイしてみたいと感じた。そしてちゃんと考えて動けばそれは全く持って可能な話なのだ。日本にいる日本人のArtistの中には海外でプレイするのがとても特別で難しいことのように考えている人もいるかもしれないが、それは本当ではない。必要とされるのはやり取りに必須となる最低限の英語力と、後は積極性だけである。意欲があれば英語なんてブラッシュアップはできる。ブレない気持ちで実際に動けばいいだけなのだ。でもみんなそれを知らないから遠い世界のように感じて国内でやっているだけで満足してしまっているように見える。

この日はこのままゆっくりな気分になったので寝ることに。明日は午前中にMan with no nameのLiveがある。Goa Tranceでぶちかましてくれるに違いない。
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by djsinx | 2010-08-22 23:13 | Partyの記録

Boom Festival 灼熱と桃とGoa Trance

820

今日も朝から本当に暑い。昼間はとても踊れるとは思えなかったのでまたビーチに行く。少し場所を移動すると混み具合も違うので好きなところを選べばいい。日差しは強烈だけれどもう特に気にはならない。日焼け止めもどうせ水に入れば落ちるのだ。焼けるだけ焼ければいい、という気分になってくる。遠くからはGroovy Beachの音が聞こえてくる。祭はもう始まっているのだ。

何度も泳いでようやく少し涼しくなりかけた頃にフードエリアの人気のピザ屋に行く。ここはフルパワーでピザを焼いて、妬きあがったものの中から好きなピザを選んで買うシステムだ。こだわらなければ後ろから

「それ買う!」

と宣言すれば意外と早く買えるし、ボリュームがあってとても美味しくて5ユーロなのでかなりお得。2人で一枚でもいいくらいだ。オレガノをたっぷりかけて巨大なテントの下の座席で食べる。みんな辺りでは普通にゆっくりしている。ただし、日陰限定だ。帰りに3つで1ユーロの桃を見つける。ちょっと若いけれど疲れた体に酸味が美味しく、リフレッシュされる。この桃にはBoomの間中お世話になることになる。

夕方、日が落ちる頃に一度休みに入っていたDance Templeが再開。スレン達はゆっくりしているというのでふたりで遊びに行くことに。暑さが遠のき、みんな少しほっとしたような顔でそぞろ歩いている。夕日が今日も美しい。いい時間帯だ。

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Gus Tillがいい感じでサイケデリックな音をかけていた。毎年Goa Tranceをフィーチャリングしていることで有名なBoomだけれど、その辺りのこだわりはとても好きだ。ダークが少ないのも個人的には嬉しい。このパラダイスには合わない。

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しばらくするとGreen nuns of RevolutionのLiveが始まった。このParty最初のガツ踊りになるヤバいサイケ具合。アーティストもそのこだわりを分かってぶちかまそうとしているのを感じることができた。ひとしきり踊り倒して次のDJは?と思うと知らないポルトガル人。いきなり打って変わってバキバキにぶちアゲて来た。ちょっとそれが下品すぎて萎えたのでアンビエントに行ってゆっくりすることにした。

そのまま疲れもあってキャンプに戻り、眠りに落ちる。祭はまだまだ続く。
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by djsinx | 2010-08-20 20:45 | Partyの記録

Boom Festival 祭の始まり

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朝起きてテントから出ると太陽が昇ってきていた。木陰が徐々に動き、テントに日が当たる時間になるとどうしようもないくらい暑い。キャンプを脱出してフードエリアに行って朝食を食べる。ポルトガル風のハムとチーズを練りこんだパンだ。これがまた何と言うか、きわめてプリミティブな見た目の代物である。「火の鳥 望郷編」でロミとカインとの三男のエベルが試行錯誤の末にパンらしきものを作ることに成功していたけれど、それってこんなんだったんじゃないのかな、と思わされるような無骨な代物だった。でも、味はシンプルにして地味に溢れ、とてもおいしく、そして重要なことだけれどお腹もちゃんといっぱいになった。

その後フェスティバルサイトを見て回る。既に音が出ているのはアンビエントパラダイスだけだ。そんな訳でここは人でいっぱい。近くのチャイ屋でアイスレモネードを飲んで体を冷ます。いや、本当に照りつける日光が半端ではない。ポルトガルの8月だ。

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途中でどこかからガムランの音が聞こえてきたので近寄ってみるとGameratoronというガムラン自動演奏機とリサイクル品から作られた寺院だった。音はとてもクリアで美しい。既に大勢の人が集まって、じっと演奏に聞き入ったり半開きの目で瞑想に入ったりしている。湖を見渡すなだらかな丘の上の寺院、これは本当にスペシャルだ。

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Utopiaのチケットの確認にインフォメーションブースを訪れたときに日本から来ているカップルに会った。木陰のチルアウトエリアで最近の日本の話など、いろいろ聞かせてもらう。彼らは今回Boomのためだけに日本から来ていた。それも可能なのだ。もっと日本人はたくさんこういう本当のスペシャルな場所に遊びに来ていろいろ吸収していったほうがいい。そういうものが次の何かを生み出す本当に大切な活力になる。ちいさくまとまってちゃ面白くない。

Dance Templeを通ってSacred Fireに向かう。Dance Templeには大量のファンクションワンが並んでいる。スレンの話だと、ファンクションワンの創設者が直々にBoomに来てレクチャーをして行ったらしいということだった。だとしたら音は相当期待が持てる。その先のSacred Fireに向かう道にはZen Gardenという涼しい小道があり、お店が並び始めていた。レストランエリアもあり、いい雰囲気だ。

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ずっと奥まで歩いてHealing Areaに至る。かなり多くの施設があり、プログラムも充実している。スウェットサウナも毎晩やるみたいだった。ヨーロッパのPartyはこういうスピリチュアル、オルタナティブ、ヒーリングの文脈がPartyやFestivalの文脈と矛盾なく交わっていて、どちらも区別なくみんな興味を持っているし、実際に楽しんでもいる。こういうは全然悪くない。体に悪いことしまくって朝まで
踊った後にクリアヨガのワークショップで浄化する、健全な発想ではないかw

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午後になって本気で倒れそうなほど暑くなってきたのでビーチに行く。もう辺りは当然人だらけだ。まるで60年代のヒッピームーブメントのドキュメンタリーの中にでも入ってしまったかのようなフラワーさだ。水はフレッシュでとても気持ちがいい。溜まっていた熱がどこかに消えていくのが分かる。何度も出たり入ったりして時間を過ごす。これがパラダイスだ。

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夕方、各ステージでセレモニーがあり、音が出始める。人々がわらわらと移動し始め、沈みかけた夕日の中に影法師が浮かぶ。

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ちょうどその時はDance Templeの裏手のレストランでサラダプレートを食べていた。ピーチとサーモンのサラダ、生ハムメロンを軽く越える驚くべきコンビネーションだ。これが実に美味しい。音はゆっくりと始まり、デザートにアサイーを食べる。ブラジルの果物らしいけれど始めて食べるし初めて聞く。ベリーとカカオの中間のような味で、アイスクリーム仕立てになっていてこれもとても美味しい。栄養満点で疲れた体には最適だということだ。

音はやがてトランスに変わる。そう、Boom Festivalは何を隠そうTrance Partyなのだ。何万人いようと、Festivalを名乗ろうと、多彩な音楽がかかろうと、その核の部分は変わらない。それは、自分でその場に足を運んで感じたことだ。フロアまで歩き、ファンクションワンの爆音に身を任せる。

躍らない理由なんてどこにもない。
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by djsinx | 2010-08-20 19:52 | Partyの記録