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日食後記 After Chillout Party

722

朝食を食べてから準備をしてアッシーガートのOpen Handという店に向かう。
ここが今回の会場だ。お昼前にリキシャーで乗りつけ、早速準備にかかる。
サウンドシステムを確認し、ラップトップを接続する。椅子の配置も変え、
日食の写真を何枚かプリントアウトして入り口に貼る。

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音の響きのモニターが難しいことが判明するがそのまま何とかやるしかない。
お客さんはお昼過ぎからちらほらと入り始めている。音を出してしばらくすると
さっきまできれいに晴れていた空が突然曇りだし、驚くほど激しいスコールが
降り出す。一気に辺りの温度が下がり、雨の匂いが充満する。

朝の皆既日食の時間帯が奇跡的に晴れた以上もちろんこんなものに不満を
言える筋合いの人間は誰一人いやしない。少しは涼しくなるだろうとたかを
くくっていたが、そこが誤算の始まりだった。

しばらくしてスコールが上がると途端に温度が上がり始め、恐ろしいほどの
湿気が辺りを包み込んだ。さっきまで居心地のいい温度だった室内は
座っていても汗が流れ落ちるほど蒸し暑い。風を入れるために日よけの
シートを外さなければならないほどだった。

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そして突然隣のアーユルヴェーダの道場から大音量の音楽が流れ始める。
どうやらお隣さんは信心深い人々らしく、皆既日食の後のためお清めのための
プージャを行っているのだという。外の騒音は覚悟していたものの、予想以上の
音量である上にシートが外してあるから音がもろに入ってくる。しかも音を
止めてもらうわけにも行かない事情だ。まあ、皆既日食の時にしか見ることの
できないプージャで今後300年は見れないわけだからレアと言えば間違いなく
レアな体験ではある。

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お客さんはこの時間帯くらいからずいぶん遊びに来てくれた。チーズケーキを
友人に勧めたり、隣の音楽が何なのかを説明したりと結構ばたばた。そして
これくらいからヴァラナシの街は断続的な停電に見舞われる。もちろんそれは
毎日のことだが、電力が均一でないためスピーカーの音に歪みが出始め、
湿気とも相まって音の制御がさらに難しくなる。

もうここまで来たらどうにもならないので交代でDJを繋ぎながらどうにか乗り切る。
乗り切れたかどうかは無論お客さんの評価を待つしかないのだが。。

そんなこんなで7時過ぎにようやく終了。お店のスタッフやお客さんからは音楽に
ついてはとてもよかったといろいろお褒めをいただいた。また遊びに来るねと
一旦は退出。借りていた機材部屋に戻って一休みして宿に戻る。

今回感じたことは、とにかくこのヴァラナシという街で自分のペースで何かを
やろうとすることの大変さだ。具体的な困難が目の前にあるわけでもないのに
何かが起きて状況がころころとひっくり返る。ちょっとした隙があればそこでは
確実に何かが起こる。もう最終的にはヴァラナシが、シヴァがやりたいように
任せるしかない。それをそうしたものとして受け入れる他に道はない。

それがここのあり方、生き方、過ごし方なのだ。
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by djsinx | 2009-07-23 21:45 | Partyの記録

皆既日食 ヴァラナシにて

722

朝、目が覚めるとまだ5時にもなっていなかった。寝坊しなかったことにまずほっとする。
宿の屋上に上がってみるとなんと空はかなりクリアに晴れ渡っている。
Junちゃんを起こし、目覚ましにシャワーを浴びて身支度をし、ガンガー沿いに向かう。
日の出の時間なのでもう辺りはすっかり明るい。久美子ハウスの隣の階段から
ガートに降りる。

もうガートにはずいぶん人が集まっている。旅人も大勢いるがインド人も多い。
ボートでガンガーに出ている人もいれば対岸に渡っている人もいる。普段と比べると
ずいぶん人手が多い。インドでは皆既日食は不吉なものとされていると言うが、
実際のところはそこまで気にしている人は多くないのかもしれない。

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友人たちもガート沿いに既に到着していた。階段に座って待っているとすぐに太陽が
欠け始める。サングラスやネガフィルムなど思い思いの道具で日食観測が始まる。
低くて薄い雲が時折流れるが太陽を覆い隠すほど濃くはなく、むしろちょうどいい
フィルター代わりになる程度。

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欠け始めてからは時間の流れが速く感じた。見るたびに太陽は欠けて行き、少しずつ
辺りの色彩が変わり始める。夜明けとも黄昏とも違う、不思議な暗さが辺りを包みはじめる。
静かな興奮が集まった人々の間から沸き起こり、もうじき訪れるその瞬間を待つ。
空はラダックで見たよりも黒く濃い青色に変わり、星が見え始める。

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正直ここに集まった人達は誰も皆既日食がちゃんと見られるなんて期待しては
いなかっただろう。雨季のど真ん中のヴァラナシ、曇天率は資料によると80%を越えていた。
論理的に物事を考えればここに来るメリットは全然ない。正直非合理ですらある。
それでも多くの旅人がここまで来た。それは彼らの、そして私の中でもヴァラナシが
特別な場所だったからだ。生と死の出会う街、涅槃へと至るガンガー、シヴァのお膝元で
あり、渦巻くカオスの中心。太陽の死と再生の瞬間を目の当たりにするのに世界で
これ程ふさわしい場所が他にあるだろうか?実際に目で見られるかどうかというだけの
問題ではない。その瞬間にここに居合わせること、そのこと自体に惹かれた人達が
ここに集ったのだろう。シヴァのお導き。友人の一人はヴァラナシに到着した時に
出迎えたローカルの友達にそう告げられたそうだ。間違いなくその通りだと思う。
だってここはヴァラナシなのだ。他のどこでもない、ヴァラナシなのだ。


そしてその瞬間が訪れる。空が一瞬で暗くなり、太陽から吹き上がるコロナが肉眼で
くっきりと見える。ガートを埋め尽くした人々から歓声が上がる。言葉にならない声。
空に浮かぶ真っ黒な天体。自分の目でこうして見るまではそれがどんなものなのか
全くもって分かっていなかった。何ものとも違う。他に例える言葉もない。太陽と月が
重なっている、そんな説明では何も言っていないのと一緒だ。

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多くの人が皆既日食を追い求めて世界を飛ぶ理由も、古来世界中でで不吉なものとして
畏れられていた理由も、実際に皆既日食を体験した瞬間に分かる。それほどに強力な
パワーを魂の奥底まで感じる。シヴァが自らその姿を目の前に現した。ガンガーの上空で。

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最後の瞬間、再生が訪れる。小さなきらめきが真っ暗だった地上を神々しく照らす。
真っ暗な空が瞬間、一転して昼の明るさになる。ダイヤモンドリング。暗い闇から眩い光へ。
怒号のような大きな歓声が巻き起こる。インド人達が「ハーレー、ハーレー!!」と叫ぶ。
生まれ変わった太陽、新しい光の最初の一粒。興奮の渦は最高潮を迎えた。

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日食の後も熱気に溢れたガートは人でごった返していた。ダシャシュワメードガート方面は
人だらけでとても近寄れないほど。沐浴をする大勢のインド人、早速クリケットに興じる
インド人、そして旅人達。大きな祭の時のようなすごい人手だ。本当に本当に特別な
瞬間だった。何度も繰り返し、押し寄せる波のように感慨がやってくる。

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友人たちと朝食を取るために入ったレストランの奥ではシヴァが優しく微笑んでいた。
「オン・ナマ・シヴァ・ヤ」。シヴァを称える言葉を口ずさんだ。

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by djsinx | 2009-07-23 15:28 | 旅の記録

Open Hand来訪

720

友人からいい雰囲気な上に最高に美味しいチーズケーキが食べれる店があると聞いて
そこでのPartyの開催も含めて試しに訪れてみることにする。リキシャに乗って10分ほど、
長期滞在者が多く泊まっているアッシーガートと呼ばれるエリアだ。ここはヴァラナシの
一番上流のガートで、キッチン付きの宿が多く、雰囲気もごちゃごちゃしていないので
ダシャシュワメードガート付近の喧騒を避けてゆっくりしに来る人が多いようだ。

中は停電にならない限りファンがしっかり回り、エアコンの効いている部屋まである。
店内は様々なクラフトや服、シルクの布やアクセサリーでいっぱいだ。他の場所とは
雰囲気の違う凝ったものが多い。

早速チーズケーキやら好きなものをみんな頼むと、意外とすぐに注文の品が出揃う。
コーヒーにサラダ、フローズンヨーグルトまで何でもとにかく美味しい。チーズケーキは
もちろん絶品だった。まるでヴァラナシにいるのを忘れる。それどころかインドにいるのも
忘れるほどだった。

店の人と話をすると企画自体は問題ないとのこと。マネージャーに話をすればそれで
OKだと思うと言われる。
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by djsinx | 2009-07-21 22:21 | 旅の記録

Total Eclipse After Chillout Party

インドのヴァラナシにて、日食当日のお昼から夕暮れ時まで、
チルアウトの日食アフターパーティをやります。日食はまあ、もちろん
雨季なので見れたり見れなかったりでしょうけど、この特別な日に
この特別な場所に集まった旅人達で集まって素敵な時間が過ごせたらと
思ってます。楽器持ちの人はジャムの時間もあるので重くなければ
持ってきて遊んでいってください。

会場のOpen Hand Cafeはゴドウリヤー交差点からリキシャで南に
10分ほどのアッシーガートへの入り口付近です。ドリンク、ケーキ等
インドではなかなか食べられない素晴らしいクオリティなのでいろいろ
準備万端で楽しんでくださいねっ。

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Astronomical Meeting of Music

Total Eclipse After Chillout Party

@Open Hand Cafe
near Assi Ghat

Wednesday 22nd July 2009
from Noon to Sunset

Ambient Live Set
Thanatotherapy

DJ
Daisuke(Samurai Tribe/Trident)
sinX(Global Dat Mafia/Ten-Ring)
Jun(Ten-Ring)
and more...

Bring your own insturmentals
for Free Jam Sessions!!
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by djsinX | 2009-07-21 16:35 | Party情報

DJ Daisukeとの再会

718

宿の値段が少し高かったので他の宿を朝から探してみる。ベンガリートラ側を見てみようと
朝食を食べて話をしていると安そうなところを見つける。案内されて部屋を見ていて
ふと隣の部屋の宿泊客と目が合うと、なんとそれはPaiとLehで会ったDJ Daisuke氏だった。
偶然に偶然は重なる。いるのは知っていたけれどこんなところでこうやって再会するとは
全くもって予想していなかった。

話を聞くとPaiで会った別の友人も到着していて、そろそろうちらが到着するかもしれないと
話していたという。無事にその友人にも会うことができた。その繋がりでしばらく遊ぶことに
なる人たちともたくさん出会うことになった。こういうことがあるから旅はやはり楽しい。
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by djsinx | 2009-07-19 22:19 | 旅の記録

ヴァラナシ着

717

朝、目が覚めると昨夜大勢いた乗客はずいぶん減っていた。軽くスナックを食べ、チャイ売りから
テラコッタ入りのチャイを飲んで一息つくころには一人で一つの座席に寝っ転がれるほど空いていた。
みんな外を眺めたり昼寝をしたり本を読んだりと思い思いにくつろいでいる。電車は快適で
外の景色もきれいだった。田園風景が広がり、鮮やかなサリーを着た女性達がそこで野良仕事を
している。おしゃれ着ではなくて本当に普段から来ている服なのだと考えるとすごいことだ。

途中の小さい駅ではオレンジ色の巡礼者たちをちょくちょく見かける。今乗っている列車から
降りたと思われる人もいたが、真新しい服で別の列車を待っている人もいる。これからハリドワールに
向かうのかもしれない。

お昼前にラクナウに到着する。このまま行けば夕方までにはヴァラナシに着きそうだ。ラクナウは
大きな街でここでも大勢降りていく。乗ってくる人は多くはない。軽く物売りのスナックを買って
昼ごはんにする。

そこからはもうずっとのんびり。ひたすらに続く田舎の風景を眺める。たまに駅でスナックを買い、
喉が渇くと水やチャイを買い、本を読んですごす。眠くなれば上段のベッドに戻って寝る。荷物が
盗まれたことがもう遠い昔のことに思えるほどだ。

夕方の6時前に残っていた乗客たちが慌しく荷物をまとめ始め、程なく電車がヴァラナシ駅に
到着する。荷物を担いで降りるとすごい人だ。ここにもオレンジ色の服の人がいる。もちろん
数はハリドワールに比べれば少なかったが。

駅のホームやロビーでは巡礼者たちが盛り上がって歓声を上げていたりする。やっぱりここは
インドで最も聖なる場所のひとつ、ヴァラナシなのだ。

駅の前のオートリキシャスタンドに行き、ゴウドリヤー交差点まで乗ろうと交渉をする。値段は
二人で60Rs。これが定価だと話しかけてきたおっちゃんは言い張る。結構遠いのは知っていたし
流しを探すのは大変そうだったので乗ることにする。乗るといきなり知らないおっちゃんが
乗り込んできて、どこに泊まるのか決めているのかとしつこく聞いてくる。コミッション目当ての
客引きなのは明らかだったので

「友達が泊まっている宿に行くことに決めていてゴウドリヤー交差点で待ち合わせしている。」
と嘘をついてさっさと追い払う。こういう手合いにまともに付き合う必要はない。

道路は昔来たときと変わらずひどく混みあっている。自動車とオートリキシャがクラクションを
鳴らしながら渋滞している隙間をサイクルリキシャが縫うように抜けてゆく。バイクがあり、
自転車があり、手押しの屋台がある。自動車はアンバサダーが減り、現地法人製の日本車が
増えていた。そしてお金持ちそうなインド人を乗せたおおきめの四駆が時折威圧的に通る。
交差点には交通整理の警官が立っていて、そこには「Follwo the trafic rules」と書かれて
いるがここで見ると気の効いた冗談にしか見えない。

途中からハリドワールで見たようなオレンジ色の服の巡礼者を見かけるようになる。人数は
ぜんぜん少ないが、みんな楽しそうに練り歩いている。やはりここは変わらず聖地だ。

そしてごっちゃごちゃに混みあったゴウドリヤー交差点の手前でリキシャを降りる。運転手が
教えてくれた方向に歩き始めると、見覚えのある景色が目の前に現れる。何も変わって
いないかのようなダシャシュワメード通り。携帯やデジカメのメモリーなどを扱う店がちらほら
見られるのが数少ない変化だろうか。

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大荷物を抱えた我々を見て目ざとく客引きが声をかけてくる。ついて来られると宿代が
コミッションの分高くなるので無視するが、とにかくしつこい。宿はもう決めてあると言っても
なかなか離れない。気にせず歩く。

そしてどん詰まりまで歩くとそこがガンガーだ。ガートの階段の上から眺めると驚くほど
水位が低い。ハリドワールのガンガーもずいぶん景気よく流れていたのでこっちも相当
溢れかえっていると思ったのだが。

とにかくPartyをやるための店を探していたので、まずは軽く目星をつけていた黄金寺院側の
宿を当たることにするが、とにかく荷物を背負って歩くと驚くほど暑い。階段を上り下りしつつ
ガートを歩いていたらあっという間に全身汗だくになった。今日のうちに探すのは無理と
判断して近くにあったAlka Hotelに入ってみるがここは満室。係りの人と話して同じ系列の
宿を案内してもらい、割り引いてくれたのでひとまず泊まることにする。Limcaをロビーで
買って飲み、シャワーを浴びてようやく人心地ついた。

一休みしてGanga Fuji Restaurantに行ってみる。インド古典のライヴをやっていたが、
音の響き方がいまいち。ご飯も美味しかったけれどちょっと高かった。そんな風にして
初日の夜は眠りについた。
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by djsinx | 2009-07-18 22:18 | 旅の記録

ハリドワール発

716

列車の時間が午後6時過ぎだったので午前中にもう一度ガートに行ってみる。相変わらず巡礼者の
数は変わらない。いったいこんなにどこから出てきたのだろうかと思うほど多いし途切れない。
街を歩くと巡礼者用の炊き出し所があったりアシュラムがあったりと本当に巡礼者の街だった。
中心街で売られているのも基本的に巡礼者を相手にしたものが多い。巡礼者たちと押し合いへし合い
しながら道を歩く。

ガートに行くとやっぱり人の数は変わらずすごい。昼間の日の光の下で見ると本当に壮観だ。
ガートを歩いているといきなり声をかけてくる人がいる。何だろうと思っていると外国人がここに来るには
ドネーションが必要だと役所か何かの名札を見せながら迫ってくる。

「さあ、いくら払うんだ。このドネーションを集めるのは私の義務だ。」

と強烈である。あっという間に我々の周りには1m程度の人垣ができた。
一応本物らしいしドネーションを求めに来るのはガイドブックでも読んでいたのでそれはまあいい。

「どうする、一人100Rsずつでいいか?OK?」

「そりゃねーよ。二人で50Rsだ。それ以上は出さん。」

「何?それだけなのか?」

「そうだ。ノープロブレム。50Rsだ。」

こういう時は相手にものを言わせない。そしてすまないなんて思わないことだ。自分が正しいと
信じて疑わず行動すること、そして気迫。インドで必要な心構えだ。実際の相場がいくらかなんて
知らない。自分でいいと思っただけだせばいい。多すぎたらその分はシヴァかヴィシュヌが
楽しんでくれるだろうからそれでいい。押しも強かったけれどちゃんとレシートも渡す辺りしっかりしている。

帰りに美味しそうな食堂があったのでチャナプーリーを食べる。インド人しかいなくて外国人が
珍しいのかかなりじろじろ見られる。もちろんそんなの気にしていたらインドではやってられない。
気にせずのんびり食べる。

部屋に帰って一眠りし、日が落ちる頃に準備をして駅に向かう。駅員に聞くとホームは1番で
間違いないが発車時間が多少遅れているようだった。そんなのはいつものことなのでホームで
軽く食事を取りながら待つ。

1時間ほどして列車がホームに入ってくる。近くにいた駅員にもう一度話しかけて乗る車両を確認する。
目の前だったのでそのまま乗り込む。中にはもう前の駅から乗っている人たちがいる。チケットを
見せて席番号を確認し、自分のベッドを確認して荷物を一番奥に放り込む。

振り返ってJunちゃんのバックパックを上段のベッドに乗せようとしたとき、サブバッグがないことに
気が付いた。荷物を上げるときに通路に近いほうに迂闊にも置いてしまい、3秒ほど目が離れたのだ。
盗まれた、と気が付いたときにはもう遅い。辺りに泥棒の姿は当然見えない。もうこうなったら
何がどうなろうと絶対に荷物は戻ってこないと考えるしかない。ラップトップPC、デジカメ、雨具、
連絡先の書かれたメモ帳。何よりもPCの中のデータが全て失われたのは痛かった。

二人で落ち込みながら無くなった物をチェックしていく。その度に気分は落ち込んでいったが
落ち込んでいても盗まれたものは戻らない。保険もかけていなかったのでやるべきこともない。
今すべきことは気分を切り替えてインドの洗礼を受けたと思って受け入れることだけだった。

「シヴァが持ってったんだよ。」

インドで物がなくなったらそう思えばいいと昔友達に言われた。その通りだ。引きずっていても
鬱に入るだけで全く意味がない。次から注意する。それだけ学べばいい。幸運にも盗まれたものは
何とか代替が効いたり買いなおせたりするものが多かったので大問題ではなかった。お金も
パスポートもカードも無事。シャンティ、シャンティ。寝てしまえばいい。
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by djsinx | 2009-07-17 22:17 | 旅の記録

ハリドワール着

715

うつらうつらしながらも眠れず、夜が明けるまでぼんやりと外を見ていた。途中何度か工事中で
お尻が座席から浮くほど激しく揺れる箇所があったが、基本的にはちゃんと整備された道を
バスはひたすら走っていた。明るくなると時々道路をオレンジ色の服を着て歩く一団を目にした。
お祭りなのだろうか?人々は上から下までオレンジ色の服を着て手には祭具のような竹でできた
不思議なものを持っている。その祭具には神様の絵が何枚も張ってあるからヒンドゥー教がらみの
ものには違いないのだが、そんな形にものは見たことがない。そしてその歩いている人の数が
半端ではないのだ。小さな街の端から端までオレンジ色の服でいっぱいのところもあった。そして
目的地が近づくにつれ、その数がどんどん増していくのだ。

朝の8時過ぎ、出発してから18時間を経過したころ、バスは大きめの街に入っていった。そこでは
メインロードの片側が通行止めになっていてオレンジ色の服の人たちが驚くほどの数歩いていた。
大人から子供まで、恐らくは家族連れと思われる人々もいる。数は少ないが女性も同じように
オレンジ色の服で歩いている。

やがて街の中心部と思われる場所でバスが曲がり、だだっ広い空き地に停まった。周りは
同じようなバスでいっぱいだ。ドアが開くたびに客引きが誰彼構わず声をかけている。ようやく到着。
ここがハリドワールだった。

まずはヴァラナシ行きの列車を調べるため荷物を担いだまま駅に向かう。駅も同じ色の服で
埋め尽くされている。ロビーもホームも彼らでいっぱいだ。大勢で座り込んでいたり寝ている人も
たくさんいる。列車はドアの前まで鈴なりで屋根の上や連結部に座っている人もいるほどだ。
カウンターで聞くと今日の寝台は満席でキャンセル待ちだという。しかも翌日の分も余って
いないようだった。

二人とも疲れ果てていたのでとりあえず宿を探して落ち着こうということになった。駅の前を歩いて
いると安宿がちょこちょこ見つかったが、安いところやドミトリーは満室だった。オレンジ色の服の
人々は巡礼者で、今のシーズンは彼らでいっぱいになるのだという。祭りではなく長く続く巡礼の
季節の只中にここに飛び込んでしまったのだ。ちょっとめまいのする光景だ。

ようやく見つけた宿に飛び込み、シャワーを浴びて一眠りする。バスで眠れなかったのであっという
間に眠りに落ちる。先に目を覚ましたJunちゃんが駅に行って翌日の切符を見つけてきてくれた。
キャンセルが出たのかさっきと違う係員だったからなのかは分からないがひとまず先に向かう
ことができる。

午後になって目を覚ましてガートに向かう。時間はもう夕方が近い。巡礼者とすれ違いながら
道を歩く。どうやら本当に田舎からこの巡礼のためだけに出てきたような雰囲気の人が多い。
外国人の我々を見て珍しそうにハローと声をかけてくる人も結構いる。最初ちょっと警戒したけど
どう見ても悪さをしそうには見えないし、挨拶だけしてそのまま仲間と一緒に歩いていってしまう
人がほとんどだった。

ガートは昔見たVaranasiのものよりはるかに大きい。そしてきれいに整備されている。ガンガーの
両岸が見渡せる限りガートになっていて、何万人いるのか想像も付かないが、ものすごい数の
巡礼者がそこで沐浴をしていた。圧巻と言うほかない。ガンガーの流れは急だった。濁流といっても
いいほどの濁った流れがごうごうと流れている。さすがに飛び込んで泳ぐ人はいない。朝から
見ている不思議な祭具をガンガーに投げ込んでいる人がいて、時折それが流れに揉みしだかれ
ながら目の前を通り過ぎる。プージャの火もいくつか流れてきたが激しすぎてすぐに沈んでいた。
雪解けの流れの強さなのだろう。

その日はやっぱり疲れが残っていて早めに就寝する。
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by djsinx | 2009-07-16 22:15 | 旅の記録

ヴァシスト発

714

昼間ではゆっくりして午後になってから宿を出発。オートリキシャでニューマナリに向かう。
あらかじめバスチケットを買っておいたので乗り込むだけ。買ったのが早かったので
運良く入り口の近くの二人掛けだった。数人の外国人旅行者を除いてほとんどがインド人。

バスは定刻通りに出発。こういうところは思いがけずどこでもしっかりしている。道はマナリの
街を抜けるとすぐにカーブだらけの山道になる。レーからの道と同様この辺りもトラックや
タンクローリーが多く、ひやっとすることも多い。インド人の乗り降りは結構激しく、車掌も
忙しそうにしている。

マンディのバスステーションで一休み。ここはもう完全にローカルだらけの場所だ。マナリとも
雰囲気は違う。サモサとベジタブルバーガーを軽食用に買う。ここを過ぎるころに日が落ち
始める。暗くなると道はやっぱり怖い。

それでも真っ暗になるころには山道を抜けて平地に入る。そうなるともうバスに揺られている
だけ。狭いので眠れないから結構辛い。涼しかったマナリと違い、気温も湿度も時間とともに
増してくる。汗と埃と排気ガスの臭い。でもへこたれてもどこにもたどり着けない。じっと
我慢である。

途中で遅い晩御飯の休憩がある。20分程度でかっこんで、トイレを済ませて再び出発。
トイレ休憩だけなら途中でちょこちょこあるのでそこだけはベトナムのツーリストバスよりはまし。

深夜過ぎにいきなり道がそれまでと変わり、まっすぐになる。辺りの歩道は整備され、交差点は
きれいに刈り込まれたラウンドアバウトになっている。もしやと思ったら予想通り、ここは
チャンディガルだった。世界に名を知られる建築家のル・コルビュジェが設計した計画都市だ。
世界的に見てもこのチャンディガルは成功した計画都市と言われており、それを見るために
この街を訪れる人も多い。もちろん物価が高いのでバックパッカーにはおおむね不評だが。。

ここを過ぎてしばらくしたころ、新しく乗ってきた痩せたインド人と車掌が何かしら言い合いを始めた。
どうしたのかと思っていたらいきなり車掌がその客を殴りつけ、何度も足蹴にした挙句にドアを
開けて外に放り出していた。言葉が分からないので何とも言いようがないがバスの車掌が
客を外に蹴り出すとは思わなかったので驚いた。
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by djsinx | 2009-07-15 22:11 | 旅の記録

インド旅情報 マナリ

マナリ情報
基本的にマナリと言えばニューマナリの事を指す。いわゆる新市街でバスステーションがあり、商店やインド人の避暑客、新婚旅行客が多く滞在している。ATMがあり、安い食堂なども多い。土産物屋もあるがインド人向けの店のほうが多い印象がある。旅行者がよく滞在するヴァシスト、オールドマナリへはリキシャスタンドからそれぞれ50Rsで行ける。どちらもバックパックを担いで歩くには少々遠い。


ヴァシスト情報

マナリから3km程の小さな村。温泉が湧いていてシヴァ寺院があるためインド人も多い。旅行者は日本人が多いと言われているが欧米人もたくさんいる。道端には植物が生い茂り、新婚のインド人夫婦が中睦まじく散歩している光景が微笑ましい。宿はシーズンにはかなり埋まるようなので注意が必要。

温泉はヴァシストの道路を登りきったどん詰まりの広場にある。木造のシヴァ寺院の入り口で靴を脱ぎ、中の男女別の温泉に入る。料金は無料で寺院へのドネーションだけ。

レストラン

ツーリストレストランが多いが、安い食堂もちょこちょこある。

Seven Space:
日本人が以前オーナーをしていたレストラン。古いチベット式家屋のベランダ部分が客席になっていて、日本食が色々食べられる。お好み焼き(60Rs)、日本定食(80Rs)等がある。日本人以外にも有名で、各国語が乱れ飛ぶのが面白い。

Sebbaba Cafe:
フランス人がオーナーをしている。谷が見渡せる絶景のカフェで、ベランダ席が気持ちがよい。中も座敷なのでゆっくりできる。本物のがレットが食べられる。夜には映画の上映をやっている日もあるようだ。上の階はチルスペースになっていて大きなテーブルを囲んでゆっくりできる。

ここではPC持込であれば音出しをすることはできるが恐らくダンスは不可能。ただ、システムの関係でベランダ席に音が響かない。追加システムを組んでベランダ席に音を飛ばせればベスト。

ベジバーガー屋:
正式名称は忘れた。温泉前の広場にある。ベジバーガー、オニオントマトチーズナンが美味しい。朝から晩までいつも誰か緩い顔をしてのんびりしている。

マナリからハリドワールへ

ニューマナリのバスステーションで直接ローカルバスのチケットを購入できる。午後3時発で15時間かそれ以上かかる。道はそれほど悪くはないがたまに工事中の場所はひどい。途中何度か休憩が入る。途中のバスステーション等で売られているスナックは作り置きの場合が多いので注意が必要。
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by djsinx | 2009-07-15 00:46 | 旅情報