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最果ての街Karumba, Gulf Carpenteria

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NormantonからNormanton Riverを越えて北へ。しばらく走るとFloodplainと呼ばれる巨大な平原に突入。本当に360度遮る物のない地平線が広がる。下草だけが生え、所々に小さな溜りがある。そして数えるほどのやせ細った木だけが視界に入る。雨季に雨が降ればこの一帯は水面下になる。そしてそれは毎年繰り返される通常のサイクルなのだろう。走っても走っても景色は変わらない。人間の営みに対して自然のスケールが壮大すぎる。脈打つように毎年洪水と乾燥を繰り返し、茫漠と広がる。人が住むにはあまりに自然が圧倒的過ぎる場所だった。

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そんな場所でも人を見かけた。道路際の草原を大量の牛が歩いていてその牛達を先導す
るようにCowboy達が馬に乗っていた。そして彼らはAborigineだった。今までCowboyは白人という固定観念があったが、馬にまたがりCowboystyleの服に身を包んだ彼らはこの不思議な光景をさらに現実感のないものにしていた。なんとこの場所はいとも簡単に我々の小さな世界観を叩き壊してくれるのだろうか。思い描いていたもの、どこかで聞き知ったもの、そんなものは常に目の前の現実の前に粉々に消え去る。我々はただ自分がしがみついていたくだらないRealityからいつでも手を離す準備をしていればいい。そうすれば後は現実の方が向こうからやってくる。準備ができていないとただ無駄にまごつくだけだ。

そしてKarumbaに到着。ここはAustraliaでも有数のBarramundi釣りの名所で釣り人たちの聖地だった。長く逗留する人も多いのかSupermarketやCafe等もしっかりとあり、活気がある。Tiger Prawnの水揚げ工場もあり、それもあって様々なSeafoodを売る店もある。そして有名な夕日の見えるSunset Tavernもある。せっかくなので散歩がてらビールを飲みに行く。ここはGulf Carpenteriaと呼ばれる海に隣接している。通常の2WDの車で、許可証なども不要でこの海に到達できるのは恐らくこの街だけだろう。どの都市からも遠い道のり、それを越えてきた旅人だけに見ることのできるこの夕日は格別の感慨があった。

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夕焼けが燃え上がるものだということを知った。
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次の日は宿の裏手の荒野を散歩する。間違いなく雨季には泥に洗われ、広大な湿地と化すと思われる荒れ果てた荒野。それでもこの辺りは多くの鳥とワラビーが生息している。荒野を歩いていると遊歩道に出たが洪水の影響か木道は壊れ、道もあちこち崩れている。だけど特に直すでもなくそのままになっている。海には釣り人のボートとエビの水揚げの船と思われる大きな船が浮かび、引き潮の時間帯は海岸線の泥がはるか遠くまでむき出しになり水鳥を見ることができる。やはりCrocodileもいるらしく注意書きがあちこちにしてある。あの広大な地平線を抜けた時からどこか別の世界に入ってしまったような不思議な感覚が続く。不思議と静かで、それでいてどことなく華やいだ、もし世界の果てに街があるのならばきっとそれはこんな場所だろう。

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不思議な海岸線
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ただ佇む人々
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by djsinx | 2008-07-29 09:50 | 旅の記録
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