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トリポリ空港、ほんの二週間前に通った場所なのに

まるでもうまったく別の世界のようだ。しかも、悪夢のような別世界だ。エジプト革命を避けてカサブランカからブエノスアイレスに飛ぶカタールエアはドーハで10時間のトランジットがあったけれど、そのドーハに飛ぶ時にトリポリ空港に降りて乗客の出入りがあった。何人かの乗客が降り、その後にきらびやかな民族衣装を着た一団がその機に乗り込んできたのをはっきりと覚えている。リビアのどこかの部族の、恐らくはダンサーかミュージシャンなのではないかと思った。凛として寡黙で、それでも目が合うとにっこりと笑った。彼らはドーハの空港に到着すると混み合ったトランジットエリアに悠々と消えていった。

今そのトリポリの空港では多くの人々が銃声に怯えながら混乱と混雑の中で飛行機を待っている。現時点で640人の死者。事態が収拾した後にははるかに大きな数字が出されるだろうと感じている。願わくばその収拾が少しでもよい形で行われればと願う。ではどんな形がよいのだろうか。カダフィが死ぬか逃げ出せば終わりなのか。それは始まりでしかない。原理主義者が東部で勢力を握っているという噂も出ている。原油産出国として大国の利害にも深く関わっている。チュニジアやエジプトの時よりもさらに未来に向けての状況が見えない。

少しでも多くを学び、この問題から目を逸らさずに見据え続けることだ。ただセンセーショナルなものに反応しているだけではいけない。それが情報を与えられ、その中で生きるということだ。それを放棄した時に人間は家畜に成り下がる。奴隷ですらない、反乱すらできない家畜に、だ。

--以下引用--

リビア死者、640人と人権団体 2千人死亡説も(共同通信) - エキサイトニュース

 【パリ共同】各国人権団体の連合体、国際人権連盟(FIDH、本部パリ)は23日の声明で、リビアでの反政府デモ開始以来、治安部隊の弾圧などによる死者は少なくとも640人に達したと発表した。また、フランス週刊誌ルポワン(電子版)は同日、リビアから戻ったフランス人医師の話として、北東部の主要都市ベンガジだけで死者は2千人を超えるとの推計を報じた。
by djsinx | 2011-02-24 10:46 | News
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