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ヴァルカラ発 バックウォーターへ

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長居したヴァルカラを出発し、コタヤムからアレッピーへのバックウウォータークルーズに参加することにする。バスや電車の乗り継ぎが面倒だったのでオートリキシャでコタヤムまで行く。そこまで遠くもないし、メジャーな移動手段のようだ。

スムーズにリキシャは船着場に到着する。途中で一泊する豪華なクルーズもあったけれど、最初は安いのでも十分楽しいということだったので連絡線を兼ねた公営の船に乗る。日本から卒業旅行で来ている女子大生も乗っていた。気がつけばそういう時期なのだ。

船はほぼ定刻に出航。広い運河を走る。一寸法師のお椀の船のような丸い小船で行き来する漁師がいる。大きめの貨物船や豪華なクルーズ船もあちこちに見える。そんな中を進んでいくとチャイニーズネットと呼ばれる独特な装置が水面に立ち並ぶ。とにかく豪快な見た目だけれど、動いていなかったので実際どうなるのかはよく分からない。ただ、マングローブの林と静かな運河を背景にして壮観な眺めだ。

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船はやがて細い水路に入る。岸辺にはコテージ式のリゾートホテルが立ち並ぶ。奇妙な像があったり村が連なっていたりと飽きない。写真を撮ったりデッキの椅子からゆっくり景色を眺めたりして過ごす。

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お昼過ぎに有名なハギングマザー、アマのアシュラムの停留所に到着する。ここで降りたり乗ってくる人もいる。そして昼食の時間。いつも使っている店が休みのようで、ローカルのダバで食事を取ることになる。フィッシュミールスがもりもりと出てくるのでそれを平らげる。朝から動いているのでやはりお腹は空いている。

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30分ほどで再び出航。トラベラーも何人か乗り込んできて賑やかだ。途中で海水のエリアから淡水のエリアに移るために水門を通る。手動でクランクを回し、ゆっくりと船はエリアの間を移動する。そこを過ぎると植生が変わる。水草が増え、淡水の植物が辺りに広がる。再び何時間かの間、ゆっくりとした景色とゆっくりとした時間の中に沈みこんでいく。

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やがて日が傾き、広大なバックウォーターと田園と林の向こうに太陽が沈み始める。景色は赤く染まり、行き交う人や動物や船の影が美しい。18時を過ぎてようやく船はアレッピーの港に到着する。

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そこでは既に客引きが待っていて声をかけてくる。とりあえずかわしながら歩いているとJunちゃんに若い男の子が

「ヴァルカラに君、いなかったっけ?俺達もしばらくいたんだけど見た気がするんだよね。カフェでイベントとかもやってたんだけど覚えてない?」

「も、もしかして…?アレッピーボーイズ?」

「そうそう!噂のアレッピーボーイズさ!覚えててくれて嬉しいよ。アレッピーにようこそ!!」

なんという偶然だ。まさかよりによってあのアレッピーボーイズに迎えられてしまうなんて。リアクションもだるいというタイミングでインドはいつもこういうことをするのだ。宿を探しに行くね、と陽気に手を振ってさよならする。

女子大生の一人はこのままコーチンまでバスで向かうというので、もう一人といっしょに客引きと話していると歩いて5分かからないというのでその宿まで行ってみる。ガイドブックに乗っている宿で、感じがよくて値段も安かったので一泊だけだしとそこに決める。そのまま寝てしまいそうだったのでシャワーだけ浴びてさっそく夕食を食べに行く。店が閉まりだす時間になっていたので近場でさっくり決めてチキンターリーを食べる。ツーリストの村だったヴァルカラを出て久々に今日はローカルっぽい食事が続く。このパンチが長い移動の後の体にはとても染みる。久しぶりの移動はいつでも腰が重くなる。

疲れていたのでおしゃべりもそこそこに就寝。
by djsinx | 2010-03-05 06:29 | 旅の記録
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