人気ブログランキング | 話題のタグを見る

サハラの朝の光

122

眩しかった月は夜の間に天頂を通り西に沈みかけていた。ラクダ達がまたいい位置取りで座り込んでいる。

サハラの朝の光_c0140612_22482337.jpg


テントに備え付けてあったスノーボードを持ったイーサンと一緒に近くの一番高い砂丘を目指して登る。彼はスキーをやるらしく、昨日この周りで散々練習をしたらしい。夜がどんどん明けてくるのでがんばって登る。昨日の今日なので足腰は痛いけれど砂遊びをしている感覚になると楽しい。思えば世界一巨大な砂場なのだ。

サハラの朝の光_c0140612_2256567.jpg


やがてアルジェリア国境のあるブラックデザートの先から朝日が昇る。多少雲はあったけれど赤い砂丘をさらに赤く染めてとてつもなく雄大。こうやって見ると砂丘のあるエリアは高いところまで登ると地平線まで続いていないことが分かる。イーサンの写真を見るとブラックデザートはむしろ土漠と言う方が近いような場所だ。楽に歩けたよ、ということだった。

イーサンが朝日の下を滑っていくのを彼のiphoneで撮影してあげる。上からだと分からないけれど滑るのは結構難しいらしい。途中で何度か止まっていた。そして気が付くとガイドのアリがテントでこっちを見て呼んでいる。どうやら出発のようだ。少しずつ砂丘を歩くのも慣れてくる。基本はすり足で足の裏全体に体重を均一に乗せると沈みにくい。でも、高い砂丘のエッジなのでよく剣技漫画に出てくる「階段ですり足」並に難しい。

ようやく戻るとラクダの鞍もちゃんと付けられて準備万全。慌てて寝袋を閉まって乗り込む。

サハラの朝の光_c0140612_2384657.jpg


朝の砂漠は美しい。低い位置から差し込む日光が砂丘の起伏に複雑な陰を投げかける。それは昨日の夕日とは当たり前だけど逆からの光。砂漠にいて感じる地球と宇宙の一端はこんなところなのかもしれない。

サハラの朝の光_c0140612_232194.jpg


サハラの朝の光_c0140612_23215382.jpg


10時前に宿に到着してゆっくり朝食とシャワー。この日は同じ宿にもう一泊していくことに。
イーサンはイタリアに向かうということで夜行でカサブランカへと旅立っていった。遠いだろうと
思ったけどさすがテキサスのアメリカ人、タフである。しかしこんなアメリカ人見たことない。

午後は身体の疲れをゆっくり癒す。そして夜はやっぱり太鼓とシーシャ三昧である。

サハラの朝の光_c0140612_23261075.jpg

by djsinx | 2011-01-23 22:43 | 旅の記録
<< サハラとアトラスの狭間 ワウザ... 『高い砂丘』、エル・チェビへの... >>