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DMZを超える。そして総てが変わった。


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朝起きるとDMZを過ぎてドンハで朝食。全体的な街や人の雰囲気が既に全然違う。ここからDMZツアーに参加する人もいるようだった。

そこから1時間程度でフエに到着。これは本当に解放だった。北ベトナムの勝利というものは、少なくとも当時は祝うべきものだったのかもしれない。でも実際ハノイからフエに到着してみて、どう考えてもDMZ以南の方がいい空気を放っている。緊張していた体の筋肉と精神がようやく一息をつくことができる。普通に道を歩いて公園のベンチに腰を掛けて景色を眺める。こんな当たり前のことなのに、ハノイでは常に何かに悩まされ、何かに心をヤスリのようなもので掻き毟られていた。今はもうそれは取り除かれた。ローカルのベトナム人たちの顔も明るい。ベトナム人気質は大差ないのかもしれないけれど、時折ふっと自然な笑顔がのぞく。

宿は女性経営の場所で、いい値段だったけれどとてもきれい。とりあえず一泊だけなのでそこに決める。一眠りしてから街を歩く。橋を渡って市場に行く。とても賑やかで活気に満ちている。これこれ、この感じだ。はつらつとしたエネルギーが屈折することなく吹き出している。こちらも自然と笑顔になる。王宮後までその後ゆっくり散歩する。中の広場では少年たちがサッカーに興じている。お年寄りがゆっくり散歩していて、タマリンドを籠で売っているお母さんがいる。整然とした中に生活の香りが漂い、それが楽しみに満ちているように感じた。博物館を見るには時間が遅くなっていたのでゆっくりと正門の前を通って散歩を続ける。TVの撮影をやっていて、周りに人垣ができている。

帰りがけに大きな道の通りを白いアオザイの女子高生の群れが自転車で通り過ぎる。白鷺の群れが飛んでいるようだ。これを祝福と言わずして何と言うのだろうか。思わず見とれながらその近くの有名なレストランで中部ベトナム料理をいただく。普段イメージするベトナム料理と見た目も風味も違っていて面白い。ここの耳の聞こえない店主と栓抜きが何気に一番有名なようだ。

久しぶりにまともに呼吸をすることができてほっとして眠りにつくことができた。
by djsinx | 2009-03-04 06:22 | 旅の記録
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