オーロヴィルの印象

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今日は朝は宿の隣のHot Breadでクロワッサンとコーヒーで朝ごはん。フランス統治時代の長かったこのポンディシェリーではなんと本物のクロワッサンを食べることができた。インド各地のジャーマンベーカリー、そしてあのネパールの並み居るパン屋ですら実現できなかった本物のクロワッサン。このポンディシェリーではそれが実際に食べることができる。日本のクロワッサンとも違う。フランス通のJunちゃんが言うのできっと間違いないはずだ。フランス人の在住者も食べに来たり買いに来たりしている。

そしてリキシャをチャーターしてオーロヴィルに向かう。これがこの街に来た一番大きな目的だ。

ここはインドの精神的指導者の一人である故オーロビンド氏と彼のパートナーでやはり故人のマザー(マザー=テレサではない。念のため)の精神を具現化すべく1968年に作られた街。Human Unityを最大の目標として建設され、そのために必須とされる人間のアートマンをブラフマンの一致をめざすというウパニシャッド哲学の基本理念を根底においた展開となっている。オーロビンド氏のアシュラムはポンディシェリー市内にあり、オーロヴィルとは別物。とは言え両者は友好な関係を保っていると説明されている。

市内のオーロビンドアシュラムの傍の本屋には彼の著書を元にした小冊子がたくさん売られていて今はそれを買って読んでいるところだけれど、クンダリーニの上昇と同時に超越的な世界を地上に Descendさせるというのが個人的には斬新に感じた。まあ、80年前の著作だから現代人的には今更なのかもしれない。ただ、これはトランス状態を説明する際の二つの態として「イッちゃう」と「憑かれる」の両方に対応しているしエネルギーの両方向性っていうのは読んでいてなるほどなって感じた。 OvermindとSupermindを分けているのも面白い。たぶん前者は変性意識とかユングの集合的無意識とか、禅で言えば魔境って呼ばれるようなバッキバキなサイケゾーン。後者は無とか空とか宇宙存在とか絶対者とかOMとか呼ばれるような究極の実在(もしくは究極の非在)に由来するものでしょう。

で、後者への達成がなければ人類の調和は成し得ないというのがオーロビンド氏の考えというのが私の認識。これ以上分析したり批判できるほど読んでないのでさすがにそこはノータッチにします。


で、オーロヴィル自体は有名観光地でもあってオートリキシャはみんな場所を知ってるし、ビジターセンターは観光バスとリキシャだらけ。5分間の紹介映画を見てインフォメーションセンターを見る。そして有名な巨大金の玉、マトリマンディールへ。この辺の敷地の作り方とか見ていると、ダグとジョンがせっせと作っていたレインボーリトリートの庭や、ガイがトンネルを掘っていたレインボーテンプルをすごく強烈に思い出す。正直オーロヴィルのエリアに入ったときにあの付近と同じ空気を感じていた。オーストラリアのレインボーリージョンとオーロヴィルは間違いなく根っこのところで繋がっている。それがうちらの偽らざる第一印象。

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しかしここは理想郷だとかユートピアだとかいろんな勘違いをされている場所でもある。もともと理想郷なんてのは誰かの願望やら早とちりやらで宿命的に実際とは違うイメージで一人歩きするものだが、そもそもそんなものがこの地上に存在しているわけねーじゃんよ!黄金の国ジパングとして知らない間に多くの船乗りたちを大西洋の藻屑と化してきた某国の民としては声を大にして言っておきたい。ま、もっと平たく言うのであればヴィパッサナー瞑想と同じような誤解の塊ということだ。ある一部がクローズアップされ、他の部分は語られない。無意識に行われたのだとしてもそれは編集であり演出された情報だ。

可能な限り正確に描写しようと勤めるならば、ここはオーロビンド氏、及びマザーの精神(思想と言っていいのかはちと迷う)を理想とし、それをこの世界で実現しようとするための実験及び実践の場と言えるかも知れない。2000人という住人(オーロヴィリアンと呼ばれる)の数を多いと見るか少ないと見るかはその人次第だけれど、彼らが行っているのは理想の実現のための絶え間ない努力と言える。それはそこらに転がっているお気楽スピリチュアリズムとは一線を画している。40年を越えて拡大し、存続し続けているという事実ひとつからでもそれは計り知れるはずだ。


まあ、とにかく本を読めって感じですね、俺。雰囲気やノリだけで簡単にはJoinさせてはくれないその志は俺はいいと思います。乞食まがいやヒッピー崩れの駆け込み寺にする意味は全くないと思うので。
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by djsinx | 2010-02-07 21:55 | 旅の記録
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