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インド後半戦スタート!


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そして7時ごろ、少し大きめな街の真ん中でバスが止まり、国境のビルガンジ行きは乗換えだと言われる。直通のチケットを買ったのにこのざまだ。半ば予想していたので諦めて乗り換える。もちろん追加料金など一切払うつもりはない。乗り換えた先のバスは小さく、座席も少なくて立って乗る羽目になる。天井も低いからまっすぐ立つのもままならない。文句を言ってもしょうがないし、他に方法もないのでそれに乗り続ける。こういう時に限って屋根の上に乗ろうとすると駄目だと言われるし。

そのまま2時間ほどしてようやくビルガンジの街に到着する。国境に向けて早速歩き出そうとするけれど距離が分からない。何人かに話していると警察官が話を聞きだして、ここから馬車で一人15Rsで行けるからと近くにいる馬車をつかまえて乗せてくれた。いい人だ。そのまままだまだ深いままの霧の中を延々と馬車で走る。21世紀も10年を過ぎたのにネパールとインドの国境を馬車で抜けようとしている、なんだかそのことがおかしかった。真っ白で何も見えない道路を揺れる馬車で走っていると自分がどこにいてどこに行こうとしているのかがよく分からなくなる。気がつけば私たちは世界の隙間にいた。

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20分ほどしただろうか、辺りにトラックが像の群れのように立ちすくんでいるエリアに入った。その先には美しい形をした城門の影がうっすらと見える。どうやらボーダーに到着したようだった。教えられるままにイミグレーションで出国手続きを済ませる。そして隣にある屋台で暖かいチャイを飲んでゆでたまごを出してもらう。疲れた身体にはとても沁みる。ようやく一休みできた気分だ。

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しばらくゆっくりしてさっきの門の脇を通り、橋を渡ってインド側に向かう。イミグレーションで同じように入国手続きをする。歩き出すとすぐに屋台の両替屋がたくさんいたので適当なところを見繕ってネパールルピーを全部両替する。この先持っていても意味がない。そこから歩いてすぐのところにバスステーションがあって話をしてみるとパトナ行きのバスがこれだという。ちょうどよかったのでそのままチケットを買って乗り込む。出発はだいぶ先だが今更多少待つ時間が増えても大したことはない。近くのスナック屋台が賑わっていたのでサモサを食べる。久しぶりのインドの味だ。チャイもネパールのチヤとは何かが一味違う。これがインドということなのだ。なんだか嬉しくなる。

バスはお昼に出発。やはりお客を拾いながら走る。途中までは国境の近くといった感じのおんぼろの道だが、途中からは建設中のハイウェイの片側を両方向が走る形になる。確かに道は広くていいのだが、対面走行だしスピードが出せれば出すのがインド人なので結構怖い。お約束のように事故った車が路肩に放置されている。それでもあの走り方をやめないのは見上げたものだがバスではやめて欲しい。

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途中、休憩を挟みながら大きな街を回る。夕方になるにつれ渋滞があちこちで起こり、遅々として進まない場所も出てくる。それでも日が暮れる頃にようやく近づいてきた気配がある。そして真っ暗になった頃、ガンガーを渡ってパトナの郊外に入る。どうも相当大きなエリアに広がっている街のようで、そこからがなかなか長い。ようやく街灯とネオンの輝く市内のエリアに入ってきたのはもう9時も近かった。中心街は驚くほどきれいに整備されている。バスステーションで降ろされ、駅までのリキシャに乗る。

とりあえず寒くもなくうるさ過ぎもしない。まずまずだったが大変なのはこれからだった。駅の近くの安宿のエリアに行ってみたのだが、驚いたことにどことして空いている部屋がないのだ。焦ってしらみつぶしに当たってみたのだが、全然空いていない。高めのホテルに聞いてみても結果は一緒だった。困っているとリキシャワーラーが近づいてきたので話してみると、宿を知っているからと言うので乗せていってもらう。一つは空いていたけれどパスポートを朝まで預かるというので信頼できそうになくてパス。次に行ったところは満室で、ようやく3軒目に行った場所で空き部屋があった。それもどうにもろくでもない部屋なのに半日料金で400Rs。夜も遅くて他に当てもないので仕方なく泊まる。値段からしたら明らかに今回の旅でも最低の部類に入る。

インド後期の第一日目はこうして終わる。インドに来て楽なんてそんなにさせてもらえるもんじゃない。いかにもインドらしい、ウォーミングアップとしては最適の一日になった。
by djsinx | 2010-01-11 15:31 | 旅の記録
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