オバマ大統領のノーベル平和賞のこと

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恐らくオバマ大統領のノーベル平和賞受賞はアメリカ的にはやはり結構微妙だったようだ。恐らく「大義に弾みをつける手段として」というのはまさにその通りなのだろう。これは未来に対して与えられた賞だ。そしてオバマはその未来に対して大きな責任を追うことになる。そしてまさにそのことによって彼は新たな光を身に纏う。それは威光ともなれば自らの動きを縛る重い枷ともなる。聖なる両刃の剣とでも言えるだろうか?

オバマにできることは実行することのみだ。そして人々は、彼の最終的に目指す世界に共感するのなら、常に批判的にその「実行」を検討しながらもサポートしていくことだ。彼をこき下ろして引き摺り下ろそうとするものは自らの目指す世界を示してみるがいい。展望を持たず目先のスキャンダルに右往左往するのは愚民でしかない。

ゴア氏の賞賛などはもちろんのことだろうが、マケイン氏が公的に祝した辺りは面白いと感じる。ちょっと人物に興味を覚えるところだ。共感するものがあるのか、それとも何らかのポーズなのか。

どの道オバマ大統領の示す道は美しいが厳しい。でもそこは常に忘れられてはならない場所だ。理想的に過ぎるきらいがあると人は言うのかもしれないが、そのヴィジョンがあるからこそぶれずにいることができるのだ。

 我々は核の恐怖の中で生きることはできない。だから私たちは核兵器なき世界を目指す具体的な措置を開始した。すべての国は核利用の意図が平和目的であることを明示しなければならない。

 気候変動がもたらす脅威も容認できない。我々はエネルギーの使い方を変えなければならない。人種や宗教が異なる人々との新たな関係を築かねばならない。イスラエルとパレスチナの人々が平和に生きる権利を認識しなければならない。

 すべての人が教育を受け、疫病や暴力などの恐怖のない、まっとうな生活ができるようにすべきだ。





 【ワシントン草野和彦、小松健一】オバマ米大統領の09年ノーベル平和賞受賞が決まった9日、米国内の雰囲気は祝賀ムードにほど遠く、驚きと戸惑い、さらには批判の声さえも聞かれた。最大の理由は、米国民が喜びを共有できる「実績」が大統領にないためだ。「戦時大統領」への「平和賞」というイメージのギャップも大きく、支持層のリベラル派までが祝福を控えた。

 大統領の受賞声明を受けて始まったホワイトハウスの定例記者会見。「おめでとう」の言葉もなく始まった質疑応答では、容赦のない質問が相次いだ。

 「期待ばかりで、何も結果がないという認識を助長しないか」「冷戦終結に導いたレーガン(元大統領)は受賞しなかったが」。ギブス大統領報道官は困った様子で、「私はノーベル賞委員会のメンバーではない」と答えるしかなかった。

 折しも政権内では、アフガニスタンへの米軍増派を巡る議論が進行中。「大統領は受賞の辞退を考えたか」との質問も出て、報道官は「私が知る限りでは、ない」と突っぱねた。

 ホワイトハウス前はいつも通り、観光客でにぎわった。「オバマ・サポーター」の白人男性ローゼルさんは、「正直に言うと、『なぜ?』だね」。白人女性シェレンさんは、訪米中のチベット仏教最高指導者ダライ・ラマ14世のセミナーに参加した帰りで「ダライ・ラマは真の平和活動家。オバマが自分の発言を実行するよう期待しているわ」と淡々と話した。

 ノーベル賞委員会は大統領の「核兵器のない世界」へ向けた理想と行動を重視した。

 だが、反戦・核軍縮の米最大規模の団体「ピース・アクション」の声明は、アフガン増派を検討するさなかの受賞を「皮肉なことだ」と指摘。「核兵器のない世界」についても、「平和賞に値する業績がない」とし、「平和を推進する力」を示すように求めた。

 共和党や保守層はより辛らつだ。黒人で共和党全国委員会のスティール委員長は声明を発表。「確かなことは、大統領は雇用創出、財政責任などで、米国民からいかなる賞も得られないことだ」と皮肉った。保守系シンクタンク「ヘリテージ財団」はニュースメールで、「ノーベル賞は、米国の内政に横やりを入れ、政治論争の種をまいている」として、ノーベル賞委員会に批判の矛先を向けた。

 こうした中、援護者は過去の同賞受賞者ら。カーター元大統領(02年受賞)は「大統領のビジョンと決意を世界が支持するとの力強い意思表示だ」と評価。ゴア元副大統領(07年受賞)も「大統領が既に成し遂げたことが、歴史的観点から高く評価された」と絶賛した。

 また大統領の核戦略に影響を与えた一人、ナン元上院軍事委員長は「(核軍縮・不拡散への)地球規模の焦点と議論を再形成した」と喜んだ。昨年の大統領選を戦った共和党のマケイン上院議員は、CNNテレビで「驚いたが、我々は米国民として大統領が誉れ高い賞を得たことを誇りに思う」と祝した。




 ◇オバマ米大統領の声明要旨

 【北米総局】オバマ米大統領の声明要旨は次の通り。

 ノーベル賞委員会の決定に驚き、深く謙虚な気持ちで受けとめている。これは私自身が成し遂げたこととは思っていない。すべての国の人々の願望を代表して米国の指導力が肯定されたものとして受けるのだ。ノーベル賞の歴史を見ると、受賞が特別な業績にだけでなく、大義に弾みをつける手段として用いられたこともある。だから、この受賞を行動を呼び掛けるものとして受け入れる。すべての国に21世紀の共通する挑戦に直面することを求めるものだ。

 我々は核の恐怖の中で生きることはできない。だから私たちは核兵器なき世界を目指す具体的な措置を開始した。すべての国は核利用の意図が平和目的であることを明示しなければならない。

 気候変動がもたらす脅威も容認できない。我々はエネルギーの使い方を変えなければならない。人種や宗教が異なる人々との新たな関係を築かねばならない。イスラエルとパレスチナの人々が平和に生きる権利を認識しなければならない。

 すべての人が教育を受け、疫病や暴力などの恐怖のない、まっとうな生活ができるようにすべきだ。

 すべての問題が私の任期中に解決できるわけではない。だが、一人の人間や一つの国だけで解決できないと分かっていれば、これらの問題は解決できる。この賞はすべての人々が分かち合うべきだ。
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by djsinx | 2009-10-10 22:42 | News
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