人気ブログランキング | 話題のタグを見る

Boom Festival 祭の始まり

819

朝起きてテントから出ると太陽が昇ってきていた。木陰が徐々に動き、テントに日が当たる時間になるとどうしようもないくらい暑い。キャンプを脱出してフードエリアに行って朝食を食べる。ポルトガル風のハムとチーズを練りこんだパンだ。これがまた何と言うか、きわめてプリミティブな見た目の代物である。「火の鳥 望郷編」でロミとカインとの三男のエベルが試行錯誤の末にパンらしきものを作ることに成功していたけれど、それってこんなんだったんじゃないのかな、と思わされるような無骨な代物だった。でも、味はシンプルにして地味に溢れ、とてもおいしく、そして重要なことだけれどお腹もちゃんといっぱいになった。

その後フェスティバルサイトを見て回る。既に音が出ているのはアンビエントパラダイスだけだ。そんな訳でここは人でいっぱい。近くのチャイ屋でアイスレモネードを飲んで体を冷ます。いや、本当に照りつける日光が半端ではない。ポルトガルの8月だ。

Boom Festival 祭の始まり_c0140612_204212.jpg


途中でどこかからガムランの音が聞こえてきたので近寄ってみるとGameratoronというガムラン自動演奏機とリサイクル品から作られた寺院だった。音はとてもクリアで美しい。既に大勢の人が集まって、じっと演奏に聞き入ったり半開きの目で瞑想に入ったりしている。湖を見渡すなだらかな丘の上の寺院、これは本当にスペシャルだ。

Boom Festival 祭の始まり_c0140612_19543351.jpg


Boom Festival 祭の始まり_c0140612_19581766.jpg


Boom Festival 祭の始まり_c0140612_206481.jpg


Utopiaのチケットの確認にインフォメーションブースを訪れたときに日本から来ているカップルに会った。木陰のチルアウトエリアで最近の日本の話など、いろいろ聞かせてもらう。彼らは今回Boomのためだけに日本から来ていた。それも可能なのだ。もっと日本人はたくさんこういう本当のスペシャルな場所に遊びに来ていろいろ吸収していったほうがいい。そういうものが次の何かを生み出す本当に大切な活力になる。ちいさくまとまってちゃ面白くない。

Dance Templeを通ってSacred Fireに向かう。Dance Templeには大量のファンクションワンが並んでいる。スレンの話だと、ファンクションワンの創設者が直々にBoomに来てレクチャーをして行ったらしいということだった。だとしたら音は相当期待が持てる。その先のSacred Fireに向かう道にはZen Gardenという涼しい小道があり、お店が並び始めていた。レストランエリアもあり、いい雰囲気だ。

Boom Festival 祭の始まり_c0140612_2032198.jpg


Boom Festival 祭の始まり_c0140612_205015.jpg


Boom Festival 祭の始まり_c0140612_2053341.jpg


ずっと奥まで歩いてHealing Areaに至る。かなり多くの施設があり、プログラムも充実している。スウェットサウナも毎晩やるみたいだった。ヨーロッパのPartyはこういうスピリチュアル、オルタナティブ、ヒーリングの文脈がPartyやFestivalの文脈と矛盾なく交わっていて、どちらも区別なくみんな興味を持っているし、実際に楽しんでもいる。こういうは全然悪くない。体に悪いことしまくって朝まで
踊った後にクリアヨガのワークショップで浄化する、健全な発想ではないかw

Boom Festival 祭の始まり_c0140612_207225.jpg


午後になって本気で倒れそうなほど暑くなってきたのでビーチに行く。もう辺りは当然人だらけだ。まるで60年代のヒッピームーブメントのドキュメンタリーの中にでも入ってしまったかのようなフラワーさだ。水はフレッシュでとても気持ちがいい。溜まっていた熱がどこかに消えていくのが分かる。何度も出たり入ったりして時間を過ごす。これがパラダイスだ。

Boom Festival 祭の始まり_c0140612_2073528.jpg


Boom Festival 祭の始まり_c0140612_2091857.jpg


夕方、各ステージでセレモニーがあり、音が出始める。人々がわらわらと移動し始め、沈みかけた夕日の中に影法師が浮かぶ。

Boom Festival 祭の始まり_c0140612_2010786.jpg



ちょうどその時はDance Templeの裏手のレストランでサラダプレートを食べていた。ピーチとサーモンのサラダ、生ハムメロンを軽く越える驚くべきコンビネーションだ。これが実に美味しい。音はゆっくりと始まり、デザートにアサイーを食べる。ブラジルの果物らしいけれど始めて食べるし初めて聞く。ベリーとカカオの中間のような味で、アイスクリーム仕立てになっていてこれもとても美味しい。栄養満点で疲れた体には最適だということだ。

音はやがてトランスに変わる。そう、Boom Festivalは何を隠そうTrance Partyなのだ。何万人いようと、Festivalを名乗ろうと、多彩な音楽がかかろうと、その核の部分は変わらない。それは、自分でその場に足を運んで感じたことだ。フロアまで歩き、ファンクションワンの爆音に身を任せる。

躍らない理由なんてどこにもない。
by djsinx | 2010-08-20 19:52 | Partyの記録
<< Boom Festival 灼... Boom Festivalへ >>